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東野圭吾『プラチナデータ』 感想


文中に出てくる携帯電話に「携帯」の文字がないことに気づいた。殺された被害者のバッグの中から財布と電話がなくなっている、とある。

そうか、もういちいち断らなくても、電話と言えば携帯電話なんだな。結局、「携帯電話」の言葉が出てくるのは、公衆電話との区別をつける1箇所のみだった。

犯罪者が残した毛髪や体液などからDNAを抽出し、あらかじめ登録してあるデータと照合して、犯人の詳細な体の特徴を割り出し、本人そっくりのモンタージュ写真を作り出す。

ほぼ100%に近いその解析結果により、犯罪者の検挙率は大幅にアップする。
そのため、政府は国民すべてにDNAデータの登録を呼びかける。

街なかのあらゆるところに監視カメラが設置されていたり、ヘビースモーカーの刑事は決められたわずかな喫煙可の場所でタールが何%以下という厳しい基準のタバコを吸ってたりと、近未来の管理社会が物語の舞台になっている(ああそうか、だから携帯電話もただの「電話」と呼ぶ時代になったってことなんだな)。

が、なぜかその管理社会の不気味さというのがあまり胸に迫ってこなかった。

ちょっと軽くネタバレしますんで、続きはクリックしてね。

タイトルにもなっている、最大の謎であるプラチナデータも種を明かせば拍子抜けするほどありきたりなものだし。

私はボーッと読んでたから思い当たらなかったけど、考えながら読んでいる人はすぐ思いつくだろう。
それで種明かしをされても何を今さらという気がするんじゃないかな。

犯人の動機も言動も、なにやら一昔前のSF映画みたいでちょっと陳腐。型にはまってしまってるというのか。
うん、犯人だけじゃなく、全体的に型にはまってるっていう感じがするんだよな。だから、せっかく新しい科学ネタを扱っているのに古くさい感じが否めない。

突っ込みたくなるところもちょっとあった。

なんで眠らせておくんだろう。さっさと殺してしまった方が面倒がなくていいのに、とか。

ある人物の自殺も、自分のすべてを否定されてしまったショックで苦しむのはわかるけど、そこですぐ自殺するというのは短絡的じゃないかなあ。人間ってそんなに弱い生き物だろうか、とか。

途中まではすごく引き込まれたんだけどなあ。
東野圭吾だからっていうんで期待しすぎたのかも。

まあ、まずまず楽しめる作品ではあった。
手元に置いて読み返したくなるほどではないけども。
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[ 2010/07/06 ] 倉庫5 | TB(0) | CM(0)

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