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スピンを楽しもう25 ~レベルを落とした原因を探る(ボストン世界選手権男子SPより)~

さて、いよいよレベル取りこぼしの原因探りです。

統計取ってないのであくまで私の主観ですが、レベルを落としてしまう原因で特に多いのは次の2つだと思います。

(1)回転数が足りない
 レベルを獲るためには2回転とか3回転とか8回転とか、特徴ごとに必須回転数が決まっているわけですが、これらに満たないというもの。これがたぶん一番多いのではないかと思います。

(2)姿勢が維持できていない
 それぞれの姿勢には定義があります(テクニカルパネルハンドブックP8参照)。それが認定されていないというもの。
 多いのはシットとキャメルでしょう。シットなら軸足の腿が氷面に平行になるかそれ以上、腰を落とさないといけませんが、それができていなくて腰が高いケース、キャメルならフリーレッグの膝がヒップより高くないといけないのに、下がってしまうというケースをよく見かけます。


SPとFSであまり違いは見られないような気がします。前の記事で書いたように、SP特有のルールで0点になってしまうケースもありますが、通常はどちらも上記2つの理由でレベルを落とすことがほとんどです。


それと、最も重要なことは、レベルうんぬんの前に、姿勢が認定されるためには連続した2回転が必要だということです(3回転必須のウィンドミル除く)。


では早速見てみましょう。サンプルはボストン世界選手権男子SPから。

あ、その前にいつものやつ。リンクを貼っておきます。
【必要なもの】
紙とペン
テクニカルパネルハンドブック2015/2016版
コミュニケーション第1944号
ボストン世界選手権リザルトページ
男子SPプロトコル
スピンを楽しもう目次




やり方としては、

(1)本来のレベル構成を考える
プロトコルのスピンの略記号を見て、レベル4構成、コンビネーションの場合は3基本姿勢と仮定して、本来の予定はどうだったか、構成を考えます。

(2)レベル特徴をクリアできているか、構成1つずつを見ていく
プロトコルのスピンの略記号を見て、実際のレベルの数や基本姿勢の数(コンビネーションの場合)、フライングの場合は失敗してVがついてないかどうかを確認し、原因を探っていきます。

以前、この連載の中で、クイズや推理小説を読むのが好きな人はきっとハマるはずと書きましたが、要はプロトコルや映像などを手掛かりに、どこでレベルを落としているのか推理していくのです。

プロトコルに正解が示されているわけではないので、導き出した答が合っているとは限りません。
この記事で書いたことも、すべて私の推測にすぎません。間違っているかもしれませんが、そこはまあ、お遊びということでどうぞご了承ください(間違いに気づいた方はぜひ教えてください)。

SPもFSもプログラムの中にスピンは3つあります。同じ難ポジションを1つのスピンではレベル獲りに、別のスピンでは加点狙いで入れたりすることもあるので、正確を期するためにはレベルを落としたスピンだけでなく、他のものも確認しておいた方がいいのですが、今回は時間の都合上、レベルを落としたもののみ取り上げます。

では、始めましょう。動画の再生速度は遅くしたりノーマルにしたり、歯車マークをいじっていろいろ変えて見てみてください。


ハビエル・フェルナンデス
CSSp3(チェンジフットシットスピン)足換えのある、シットだけのスピン
https://youtu.be/N6nZl0w0zwk?t=2m26s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)①-シット基本形-同足ジャンプ②-シット基本形-足換え-SF(シットフォワード)③-SS(シットサイドウェイズ)④


レベル3ということは、①~④のうち1つを落としているということですね。
ひとつずつレベル特徴がクリアできているかチェックしていきます。

①難エントランスからただちにシット基本形で2回転する。
→イリュージョンの姿勢良し、終わり次第、ただちに腿が氷面に平行になるくらい腰を落としたシット姿勢になり、2回転できている。

②ジャンプの前後にシット基本形で2回転する。
→ジャンプ前は①でシット基本形で2回転しているのでクリア。ジャンプ後もクリアできている。

③フリーレッグを前にしたSFの姿勢で2回転。
→姿勢、回転数共にOK。

④フリーレッグを横にしたSSの姿勢で2回転。
→姿勢はOK。回転は…?

2回転できていませんね。これだ!

【結果】
難エントランス(イリュージョン)①-シット基本形-同足ジャンプ②-シット基本形-足換え-SF③ーSS×


落としたのは最後のSS。2回転未満で認定されませんでした。



アダム・リッポン
CSSp3(チェンジフットシットスピン)足換えのある、シットだけのスピン
https://youtu.be/KmXjKlsze-o?t=2m34s
【予定構成】
SF(シットフォワード)①+8回転②-足換え-SS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)④


①フリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転。OK。
②そのままの姿勢で更に6回転して…あれ? ①②合わせて全部で8回転するところを、5回転目くらいでかかとの方へ大きくズレてバランスを崩し、7回転で終わっています。ここでレベルを落としたようですね。

念のために③と④も見てみます。
③フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。OK。
④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。OK。

うん、やはり8回転がクリアできなかったようですね。
というわけで、このスピンは、
【結果】
SF①+8回転×-足換え-SS②-SB③




マックス・アーロン
CCSp1(チェンジフットキャメルスピン)足換えのある、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/mtEEcpKddDo?t=1m34s
【予定構成】
難エントランス(トウアラビアン連続)①-キャメル基本形+チェンジエッジ②-足換えーCS(キャメルサイドウェイズ)③+8回転④


レベルが1つだけというのがまた豪快な…(^^;

①フリーレッグのつま先をつくトウアラビアンの連続からただちにスピンに入るのも難エントランスのやり方の一つです。ただ、難しい入り方をしたためにコントロールが利かなくなって、キャメル基本形の姿勢が定まらず、グラグラしているんですね。それで「難エントランスからただちにスピンを始めて2回転保持」の要件がクリアできませんでした。

②その後、チェンジエッジをしてつまさき方向へ2回転しているのですが、その前のキャメル基本形が認定されていないため、チェンジエッジの前後で2回転ずつの要件がクリアできていません。

③足換え後、肩のラインを氷面に垂直にするCSの姿勢を取っています。これはちゃんと膝がヒップより高く上がった状態でキープできているので難ポジションとしてレベルが獲れています。OK。

④その姿勢のまま8回転するはずだったのですが、最後の方になるとスピードが落ちてきてしまい、6回転くらいでやめてしまっています。

というわけで、獲れたのはCSの1つのみでした。
【結果】
難エントランス(トウアラビアン連続)×-キャメル基本形(姿勢認定されず)+チェンジエッジ×-足換えーCS①+8回転×




次の例はコンビネーションスピン。レベルと一緒に基本姿勢の数も見ないといけないので、慣れるまでは少々やっかいではあります。

ミーシャ・ジー
CCoSp2p4(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が2つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/uHAXEpMSLT0?t=2m55s
【予定構成】
キャメル基本形-UF(アップライトフォワード)①-SS(シットサイドウェイズ)②-足換えーNBP(非基本姿勢)③-US(アップライトストレート)④


CCoSp2p4ということは、レベルは4つ獲れていますが、基本姿勢は3つのうち2つしか認定されていないということですね。
レベルを獲っている基本姿勢、つまり認定された基本姿勢は、アップライトとシット。
となるともう、どの基本姿勢を落としたのか【予定構成】を見ただけでわかってしまうのですが、まずは順番に見ていきましょう。

まずはキャメル基本形。始めるときにバランスを崩していて、膝がヒップより下がってしまい、キャメル姿勢が取れていません。そのあと膝がちゃんと上がるのですが、そこから1回転するかしないかのうちにキャメル姿勢をやめてしまっています。姿勢が認定されるためには連続した2回転が必要なので、キャメルは認定されず、2pとなったのです。

あと、レベルを獲っているものについて説明すると、
①は一瞬シットのような姿勢を取ってから上体を前へ倒すUFで2回転。
②はフリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
足換え。
③NBPはUFに似ていますが、膝が深く「く」の字に曲がっているのでアップライトではないですね。
④上体をまっすぐにしたUSという姿勢で2回転。これはフリーレッグを後で軸足に交差させたクロスビハインドという姿勢で、通称トンプソンです。

【結果】
キャメル基本形×-UF①-SS②-足換えーNBP③-US④




ブレンダン・ケリー
CCSp3(チェンジフットキャメルスピン)足換えのある、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/RG_4_ZzRi7w?t=1m13s
【予定構成】
キャメル基本形-CU(キャメルアップワード)①+チェンジエッジ②-ジャンプ足換え③-キャメル基本形-CF(キャメルフォワード)④


トウアラビアンからバックエントランスでスピンを始めるときにコントロールが利かなくてバランスを崩していますね。フリーレッグの膝をヒップより高く上げて維持できず、上下しています。それで最初のキャメル姿勢は認定されていないのではないかと思います。一見レベルに関係ないように見えますが、後で響いてきます。

①そのあとのCUは肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねっているし、フリーレッグの膝もヒップより高く維持できていて、それで2回転しているので難ポジションのレベルは獲れています。

②ただ、同時にチェンジエッジをしているのですが、最初のキャメル基本形で2回転できなかったため、チェンジエッジの前後に2回転ずつという要件がクリアできていません(本来の構成は、キャメル基本形でかかと方向へ2回転→チェンジエッジしてCUでつま先方向へ2回転してレベルを獲る予定でした)。

③ジャンプ足換え(ジャンプ前にCUで2回転、着氷後2回転以内にキャメル基本形で2回転)はOKですね。ジャンプ足換えのレベルは足換え後の足で獲ったレベルになります。

④最後は肩のラインを氷面に平行にしたCFで2回転。

【結果】
キャメル基本形×-CU①+チェンジエッジ×-ジャンプ足換え②-キャメル基本形-CF③



FSSp3(フライングシットスピン)跳んで入る、シットだけのスピン
https://youtu.be/RG_4_ZzRi7w?t=2m51s
【予定構成】
難フライングエントランス(バタフライ)①-SF(シットフォワード)②+8回転③-SB(シットビハインド)④

①②バタフライ着氷後、2回転以内にフリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転することで、同時に2つレベル獲得。
③その姿勢のままプラス6回転して8回転に達するまで回る予定が、7回転しかできていません。
④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。

【結果】
難フライングエントランス(バタフライ)①-SF②+8回転×-SB③




ジュリアン・ジー・ジェイ・イー
FSSp3
(フライングシットスピン)跳んで入る、シットだけのスピン
https://youtu.be/8q0rjF21M1I?t=1m31s
【予定構成】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②-SS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)④


①②空中でシット姿勢を取るフライングシット、着氷後2回転以内にSFという姿勢で2回転すると同時にレベルが2つ獲れるのですが、着氷後2回転以内にシット姿勢になれておらず、腰が高いまま回ってしまっています。
その後、SFの姿勢で2回転はできているので、②のレベルは獲れています。
③フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。

【結果】
難フライング(フライングシット)×-SF①-SS②-SB③




マイケル・クリスチャン・マルティネス
CCSp3
(チェンジフットキャメルスピン)足換えのある、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/RGfXnwRz9ZQ?t=1m26s
【予定構成】
キャメル基本形+チェンジエッジ①-CF(キャメルフォワード)②-足換えーCU(キャメルアップワード)③-CS(キャメルサイドウェイズ)④


①キャメル基本形でかかと方向→つま先方向へチェンジエッジ。前後に2回転ずつ。
②肩のラインを氷面に平行にしたCFという姿勢で2回転するとレベルが獲れるのですが、2回転未満ですね。
③肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという姿勢で2回転。
④肩のラインを氷面に垂直にしたCSという姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形+チェンジエッジ①-CF×-足換えーCU②-CS③




ハビエル・ラヤ
CSSp3
(チェンジフットシットスピン)足換えのある、シットだけのスピン
https://youtu.be/Pnwz45VRK38?t=2m5s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)①-シット基本形-SF②-足換え-SB③+8回転④

①イリュージョンを1回やって、ただちにシット基本形で2回転。
②フリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転。
足換え。
③フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。
④そのままプラス6回転して8回転まで回る予定が、6回転したところで回転を終えています。
このスピンの前に3Lz(トリプルルッツ)で転倒しているので、時間がなくなってしまったのかもしれません。

【結果】
難エントランス(イリュージョン)①-シット基本形-SF②-足換え-SB③+8回転×




ハン・ヤン
CCoSp2p4
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が2つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/cGy6cHfoRLQ?t=36s
【予定構成】
キャメル基本形-NBP①-SB②-足換えーUS③+8回転④


レベルは4つ獲れていますが、基本姿勢の認定は2つですね。
レベルの獲れている基本姿勢はシットとアップライトなので、最初のキャメル基本形が認定されていないことがわかります。

スピン開始時、キャメルで大きく姿勢が崩れ、フリーレッグが下がってしまっています。
姿勢を維持して2回転できなかったので、やはりキャメル基本形が認定されていないようです。

①基本姿勢のシットの定義にもアップライトの定義にも当てはまらない姿勢です。キャメルに似ていますが、膝を「く」の字に曲げているのでNBPですね。2回転しています。
②フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。
足換え。
③上体をまっすぐにしたUSという姿勢で2回転。これはUSの中でも両足に均等に体重をかけて回るクロスフットという姿勢です。
④③と同じ姿勢でプラス6回転して全部で8回転に達するまで回ります。

【結果】
キャメル基本形×-NBP①-SB②-足換えーUS③+8回転④




フィリップ・ハリス
CCSp2
(チェンジフットキャメルスピン)足換えのある、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/XZrokM4ouUw?t=1m46s
【予定構成】
キャメル基本形+チェンジエッジ①ージャンプ足換え②ーキャメル基本形ーCF(キャメルフォワード)③

どうやら見たところ、元々レベル3構成のような気がします。

確認してみましょう。選手名でWikipediaを検索し、今シーズン、どの大会に出ているか調べます。大会名がわかったら、ページの下の方にあるリンクから公式結果のページのプロトコルや、YouTubeで動画も見て確認します。
今回は欧州選手権やアイスチャレンジのプロトコルを確認したらレベル3だったので、動画は見ていませんが、たぶんレベル3構成なのでしょう。

というわけで、レベル3構成なのが1つ落としてレベル2になったとして見ていきます。

①キャメル基本形でチェンジエッジしています。つま先2回転→かかと2回転の通常とは逆のチェンジエッジのやり方ですね。これは姿勢、回転数ともクリアできています。

②ジャンプ足換えでフリーレッグが下がってしまい、キャメル姿勢を維持して2回転できませんでした。ジャンプ足換えの前後で2回転ずつ必要ですが、前はクリアしているものの、後でクリアできず。ここでレベルを落としてしまったわけですね。

③肩のラインを氷面に平行にしたCFという姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形+チェンジエッジ①ージャンプ足換え×ーキャメル基本形×ーCF②


レベル3構成だと、レベルを1つ落としただけでも、ただでさえ少ない基礎点が下がってキツいですね。
CCSp:レベル4は3.20、レベル3は2.80、レベル2は2.30


FSSp3(フライングシットスピン)跳んで入る、シットだけのスピン
https://youtu.be/XZrokM4ouUw?t=3m9s
【予定構成】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②+8回転③-SB(シットビハインド)④


①②空中でシット姿勢を取るフライングシット、着氷後2回転以内にフリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転してレベルを同時に2つ獲得。
③同じ姿勢のままプラス6回転して8回転まで回る。
④フリーレッグを後にしたSBという姿勢を取ろうとしますが、最初のうちは腿が氷面に平行になるほど腰を落とせていません。その後、完全に落としますが、そこから2回転できていないんですね。

この例は①②③がレベル特徴を獲れているのが見た目にはっきりしているので、消去法で④で落としているんだろうなと絞り込めるのでわかりやすいですね。

【結果】
難フライング(フライングシット)①-SF②+8回転③-SB×


CCoSp3p2(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/XZrokM4ouUw?t=3m20s
【予定構成】
CS(キャメルサイドウェイズ)①ーUS(アップライトストレート)②-足換えー(キャメル基本形ーSS(シットサイドウェイズ)③-アップライト基本形)④


スローで見ていると、だいたいどこでレベルを落としたかはわかるのですが、このケースは私にはなかなかわかりませんでした。そこで、判定結果から推理を始めました。

まず、CCoSp3p2の略記号から、レベルは2つ獲れていて、基本姿勢は3つとも認定されているのがわかります。
上の予定構成を見ると、基本姿勢のうちシットはSSだけしかありません。
姿勢が認定されている=連続して2回転回れている
ということなので、SSは基本姿勢のシットとして認定されると同時に、難ポジションとしてレベルも獲れているのだということがわかります。

レベル2つのうち1つ、基本姿勢3つのうち1つがわかりました。

基本姿勢の残り2つ、キャメル姿勢とアップライト姿勢も認定されているのですが、仮に認定されたキャメル姿勢がCSでアップライト姿勢がUSだとすると、同時に難ポジションとしてレベルも獲れていることになり、SSも加えるとレベルが3つ獲れたことになってしまいます。

ということは、CSとUSのどちらか、または両方で基本姿勢が認められていないしレベルも落としているのだということがわかります。

①スローでよく見てみると、最初に肩のラインを氷面に垂直にしたCSという姿勢で1回転するときにフリーレッグが下がり、膝がヒップより低くなってしまっています。その後、膝がちゃんと上がるのですが、2回転し終わる前に次の姿勢に移ってしまっているんですね。

②次に片手でフリーレッグを持って上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢を取りますが、2回転する間、コントロールを失ってグラグラしているのです。これはたぶん認定されないでしょう。

という訳で、結果は次のようになると思います。

【結果】
CS×ーUS×-足換えー(キャメル基本形ーSS①-アップライト基本形)②


(※間違いに気づいたので修正しました。すみません。2016/6/12 23:24)



アレクセイ・ビチェンコ
FCSp1
(フライングキャメルスピン)跳んで始める、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/o76NmlDJERE?t=53s
【予定構成】
難フライングエントランス(バタフライ)①-キャメル基本形+8回転②-CU(キャメルアップワード)③


ネスレ杯や欧州選手権もレベル3なので、どうやらレベル3構成のようです。
①バタフライ着氷後、2回転以内にキャメル基本形で2回転。
②そのままプラス6回転して8回転まで回る予定が全部で6回転くらいしかしていません。
③フリーレッグの膝がヒップより下がり、キャメル姿勢を取れていません。

【結果】
難フライングエントランス(バタフライ)①-キャメル基本形+8回転×-CU×


難フライングエントランスが認められただけとなってしまいました。


CSSp3(チェンジフットシットスピン)足換えのある、シットだけのスピン
https://youtu.be/o76NmlDJERE?t=1m27s
【予定構成】
難エントランス(ダブルスリー)①-シット基本形-SF(シットフォワード)②-ジャンプ足換え③ーSS(シットサイドウェイズ)④


①スリーターン連続からただちにシット基本形で2回転するとレベルが獲れるのですが、腰が高くてシット姿勢が認定されず、難エントランスが認められませんでした。
②フリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転。
③ジャンプによる足換え。ジャンプ前にSFで2回転、ジャンプ後にSSで2回転でクリア。ジャンプ足換えは足換え後の足で獲ったレベルになります。
④フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転(③のジャンプ足換えの要件をクリアすると同時に④のレベルも獲れます)。

【結果】
難エントランス(ダブルスリー)-シット基本形×-SF①-J足換え②ーSS③



CCoSp3p3(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えありの、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/o76NmlDJERE?t=2m47s
【予定構成】
キャメル基本形-NBP①-同足ジャンプ②ーシット基本形ー足換えー(キャメル基本形-シット基本形-UF(アップライトフォワード)④)③


レベルは3つ獲れ、基本姿勢は3つとも認定ですね。
キャメル基本形で2回転。これはコンビネーションスピンの中に基本姿勢を入れるためのものです。
①シット、キャメル、アップライトのどの基本姿勢の定義にも合わないのでNBP。これで2回転。
②ジャンプ前に2回転、着氷後2回転以内に基本姿勢で2回転必要ですが、前は①でクリアしているものの、後は、腰が高くてシット姿勢と認定されていないと思います。

【結果】
キャメル基本形-NBP①-同足ジャンプーシット基本形×ー足換えー(キャメル基本形-シット基本形-UF③)②




ナム・ニューエン
CSSp3
(チェンジフットシットスピン)足換えのある、シットだけのスピン
https://youtu.be/6KABVwB0Y-Q?t=1m8s
【予定構成】
難しい入り方ーシット基本形-同足ジャンプ①ーSF②ー足換え-SB③+8回転④


グラント・ホクスタインのCCSpと同じように低いターンからシットスピンを始めています。たぶん難しい入り方になると思いますが、他にレベル特徴が4つあるのでレベルを獲る為ではないでしょう。

①②ジャンプ前にシット基本形で2回転、ジャンプして同じ足で着氷し、2回転以内にフリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転して同時にレベルを2つ獲っています。
足換え。
③フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転。
④そこから6回転プラスして8回転するはずが、全部で6回転くらいしかできていません。

【結果】
難しい入り方ーシット基本形-同足ジャンプ①ーSF②ー足換え-SB③+8回転×



FCSp2(フライングキャメルスピン)跳んで始めるキャメルだけのスピン
https://youtu.be/6KABVwB0Y-Q?t=1m25s
【予定構成】
難フライングエントランス(トウアラビアンからバタフライ)①-CU(キャメルアップワード)②ーCS(キャメルサイドウェイズ)③-CF(キャメルフォワード)④


難フライングエントランスにVがついていないので、エントランスとその後のCUは認定されたはずだと見ることができます。ということはレベルを落としたのはCSとCFですね。

①②バタフライ着氷後、肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという姿勢で2回転。同時にレベルが2つ獲れます。
③肩のラインを氷面に垂直にしたCSという姿勢で2回転するところが、2回転未満で次の姿勢に移行しています。
④肩のラインを氷面に平行にしたCFという姿勢で2回転するところが、回り切るより前に姿勢が緩んでフリーレッグの膝がヒップより下がってしまったようです。
ちょっと④については自信がないのですが、他に思い当たる点がないので…。



ミハル・ブレジナ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/hU8N3DfMduE?t=2m37s
【予定構成】
キャメル基本形-同足ジャンプ①-シット基本形-NBP(非基本姿勢)②-足換え-(キャメル基本形-シット基本形-UF(アップライトフォワード)④)③


3pということは、シット、キャメル、アップライトの姿勢全部が認定はされている(その姿勢をとり、連続して2回転している)ということですね。
レベルだけが1つ落としてレベル3。

これはちょっと自信がなくて、間違ってるかもしれません。
順番に見ていくと、キャメル基本形からスピンを始めて、
①ジャンプ前にキャメル基本形で2回転。ジャンプして同じ足で降りてシット基本形で2回転。
②NBPで2回転。
足換え。
③「足換え後3基本姿勢」でレベルを獲るためにまずキャメル基本形で2回転しますが、スピードが落ちているので、プログラム最後のスピンなだけに、ちょっと疲れたのかもしれません。
その後のシット姿勢、全部で4回転ほどしていますが、いったんは腿が氷面に対して平行になるまで腰を落とせているようにも見えるものの、途中でちょっと腰が上がってしまって、そこから2回転できていないように見えます。
④上体を前に倒すUFという姿勢で2回転。
足換え後に3つの基本姿勢全部が獲れなかったので、ここでレベルを落としているように思えます。

【結果】
キャメル基本形-同足ジャンプ①-シット基本形-NBP(非基本姿勢)②-足換え-(キャメル基本形-シット基本形×-UF(アップライトフォワード)③)×




スラヴィク・ハイラペティアン
FCSp1V
(フライングキャメルスピン)跳んで始める、キャメルだけのスピン
https://youtu.be/edk07xRBs-E?t=2m6s
【予定構成】
難フライングエントランス(トウアラビアンからのバタフライ)①ーCU(キャメルアップワード)②+8回転③-CF(キャメルフォワード)④


Vがついてる。いいサンプルになります(すまん)。

テクニカルパネルハンドブックP9より、
ショート・プログラムおよびフリー・スケーティングにおける(足換え無しで1姿勢のみの)フライング・スピンおよびフライング・エントランスのスピンでは以下が要求される:a)はっきりと分かるジャンプを行うこと;(略);b)着氷後、最初の2回転以内に基本姿勢に達し、その姿勢に最初に達した瞬間から、その姿勢を2回転保持すること。記号“V”は、これら要件のうち1つ、または両方の項目が満たされなかったことを示している。

略記号にVがつくということは、「はっきりしたジャンプをしていない」、「着氷後2回転以内に基本姿勢に達して2回転保持ができていない」、この片方もしくは両方に当てはまるということです。大きなヒントになりますね。

見てみましょう。

①バタフライはちゃんとはっきり分かるジャンプになっていますね(あまりここでミスする選手はいないと思いますが)。着氷後、フリーレッグの膝がヒップより下がってしまってキャメル姿勢が取れていません。
②肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという姿勢を取りますが、これも膝が下がったままです。
③キャメルの姿勢が確立しないまま8回転回っても認定されないので、ここでもレベルは獲れません。
④肩のラインを氷面に平行にしたCFという姿勢で2回転。ここでようやくレベルが獲れました。

【結果】
難フライングエントランス(トウアラビアンからのバタフライ)×ーCU×+8回転×-CF①




★これはどうしてもわからなかったので保留で。
※下に追記を書きました。

CCoSp3p3(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えありの、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/edk07xRBs-E?t=3m5s
【予定構成】
難エントランス(ダブルスリー)①ーキャメル基本形ーUS(アップライトストレート)②-足換えーUF(アップライトフォワード)③ーSB(シットビハインド)④


考えられる可能性を1つずつ探っていきます。
まず、レベルは3つ、認定された基本姿勢は3つということは、1つずつしかない基本姿勢のキャメル基本形とSBは認定されているということ。SBは難ポジションなのでレベルも獲れている。

アップライトはUSとUFの2つあり、どちらか片方、または両方が認定されているはず。

②上体を真っ直ぐに、フリーレッグを後でクロスさせるクロスビハインドというUS姿勢で2回転以上回れているように見えます。
③上体を前に倒したUFという姿勢です。最初は膝が曲がっていましたが、後から伸びてアップライトの定義を満たしていますし、そこから2回転以上できているのでレベルが獲れているように思えます。

レベルを落とす可能性としては、
①難エントランスそのものが難しい入り方であるとテクニカルに認められなかった。
②USまたは③UFのどちらかが認められなかった。
この2つしかないんですよね。う~ん、難しい。

参考に。
欧州選手権のレベル4が獲れたCCoSp3p4
https://youtu.be/pxunHet8MXE?t=2m56s

違いがわからない…( ノД`)

もしわかったら追記でお知らせします。ううう、消化不良じゃ。

【2016/6/13追記】
ありがたや~~~!! 空色羊さんに動画を見ていただいたら、USでフリーレッグが氷についてしまっているのではとのことで、もう一度じっくり見返してみました。
https://youtu.be/edk07xRBs-E?t=3m11s
フリーレッグを軸足の後にクロスさせて1回転したあたりで、フリーレッグが下がってしまってエッジが氷をこすっているようにも見えます。
USのクロスビハインドはフリーレッグを軸足の後にクロスさせて片足で回るスピンなので、その姿勢が維持できなくてレベルを落としたんですね。

【結果】
難エントランス(ダブルスリー)①ーキャメル基本形ーUS×-足換えーUF②ーSB③


空色羊さん、ありがとうございました!!(空色羊さんのブログ。勉強になります。→http://ameblo.jp/sorairohituj1/



なお、グラント・ホクスタイン選手のCSSp3はもともとレベル3構成で、予定したレベルを全部獲れているので載せていません。



というわけで、ボストン世界選手権男子SPより、レベルを落とした原因探りをやってみました。
男子FS、女子SP・FSもやれるよう頑張…るけど力尽きたらゴメンネヽ( ´_`)丿
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[ 2016/06/12 ] スピンを楽しもう | TB(-) | CM(0)

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