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スピンを楽しもう番外編 ~羽生選手FCSSp3の原因を探る~

ボストン世界選手権FS、羽生結弦選手がレベルを獲りこぼしたスピンがあります。

演技終盤、3Lz(トリプルルッツ)の直後に行うFCSSp(フライングチェンジフットシットスピン)。跳んで入る足換えありのシット単独のスピンですね。
スピナーの彼にしては珍しくレベル3です。

★プロトコルはこちら→http://www.isuresults.com/results/season1516/wc2016/wc2016_Men_FS_Scores.pdf

★動画はこちら→https://youtu.be/FPT36BPGIhk?t=4m14s

動画を見ていただくとわかるように、3Lzの着氷でバランスを崩し、そこから難フライングのデスドロップを跳ぶ直前に、焦ったのか氷にエッジを取られたのか、スリップしています。

ここで時間をロスしてしまったのが痛かった。

yh_wfs
スリップした瞬間をキャプチャするのは忍びないのでシットフォワードからキャプチャ


下はNHK杯の時の同じスピンの入りです。見ていただくとわかるように、3Lzで着氷した後、振り向きざまにデスドロップを跳んでいます。もし3Lzで転倒したり着氷が乱れるとスピンの実施自体が危うくなるリスクの高い演技構成です。

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super!!! Yuzuru HANYU 羽生結弦 FS - 2015 NHK Trophy

FCSSpの実施には、3Lzをクリーンに降りることが絶対条件なのです。

今回それが崩れ、さらにデスドロップを跳ぶ際にスリップしてしまったため、何とかデスドロップは跳べたものの、そのまま全てのレベル構成を実施するには尺が足りなくなってしまいました。

本来の構成はこうです。

難フライング(デスドロップ)①-シットフォワード②-足換え-シットビハインド③+8回転

レベルを獲れなかったのは最後の8回転です。

最後のシットビハインドは、なぜかいつもの羽生選手より回転速度が遅く感じられました。
そのまま8回転すると曲に合わなくなってしまうため、7回転でやむなく切り上げています。
ここで4つ目のレベルが獲れず、レベル3になってしまったのです。

もちろん、7回転で切り上げた時点で、レベルを獲りこぼしてしまったことは本人も自覚していたでしょう。
その胸中はいかばかりか…。

Jスポーツの解説の杉田秀男さんが言及されたように、パトリック・チャン選手や羽生選手のようにエッジを深く使う選手にとってはリンクが狭かったり、場所によって氷の硬さが違うといった厳しい状況だったことも、いつもの演技ができなかった一因かもしれません。

そういえば四大陸選手権でも氷の状態が良くなくて、チャン選手はSPの演技後にスタッフに改善を申し入れたのでした。

彼らのように高いスケーティングスキルを持った選手の方が、悪影響をもろにかぶってしまうというのも皮肉な話です。

どの選手もベストパフォーマンスができるよう、せめて世界選手権のような一番重要な大会は正規サイズのリンクを使い、氷の状態を良質に保ってほしいものだと感じました。

*****

さて、演技を深く知るためには、技術を見分ける目とルールの知識があると、とても助けになります。

たとえば、四大陸選手権でのボーヤン・ジン選手はフリーで初めて4本の4回転を降りたことで話題になりましたが、コンビネーションスピンとフライングキャメルスピンで共にレベルを獲りこぼしているのです。

★プロトコルはこちら→http://www.isuresults.com/results/season1516/fc2016/fc2016_Men_FS_Scores.pdf

どこで落としたんだろうと思って見てみると、どちらもキャメルスピンでレベルを落としていることがわかりました。

キャメルスピンは膝をヒップより高く上げた状態をキープしながら連続して2回転回らないと、キャメル姿勢であると認定されません。
アップライトやシットに比べて、疲れているときにはキツい姿勢だと思います。

たぶん、4回転を4本も降りたので足に来たのではないでしょうか。よく頑張ったんだなあとしみじみ思うわけですよ(違ってたらごめんよボーヤン)。

参考までにレベル構成を。

CCoSp2p3(チェンジフットコンビネーションスピン 2ポジション レベル3)
足換えありの基本姿勢が2つ入ったコンビネーションスピンです。

★動画はこちら→https://youtu.be/sTTQfMUPGMU?t=3m7s

アップライトフォワード①-非基本姿勢②-足換え-キャメル基本※-シット基本-アップライトストレート③

※キャメル基本で膝が下がり、キャメル姿勢が認定されなかったため、「足換え後3基本姿勢」でのレベルが獲れませんでした。また、コンビネーションスピンの中に入る基本姿勢の数は当然3つを狙って構成されていますが、シットとアップライトの2つしか認定されませんでした。

FCSp2(フライングキャメルスピン レベル2)
跳んで入るキャメルだけのスピンです。

★動画はこちら→https://youtu.be/sTTQfMUPGMU?t=4m29s

難フライング(バタフライ)①-キャメル基本-キャメルアップワード※-キャメルサイドウェイズ※-キャメルフォワード②

※キャメルアップワードで2回転する途中で膝が下がってキャメル姿勢と認定されず、従ってレベルも獲れませんでした。
また、キャメルサイドウェイズでは姿勢は取れたものの2回転回り切れていないため、「難ポジション」でレベルを獲れませんでした。


世界トップレベルの選手たちは、恐ろしく難しいことをいとも簡単にやってのけるので、見慣れてしまうと出来て当たり前な感覚になってしまうのですが、こうしてミスをしてしまった演技を見ると、彼らがほんのちょっとの力の入れ加減やバランスの狂いで失敗してしまうような、どれだけ高難度な技に挑戦しているか、深い渓谷に張り巡らせた糸の上を息を詰めて渡る綱渡りのような世界に挑んでいるか、その凄まじいまでの覚悟と鍛錬を改めて思い知り、さらに敬意がわき起こるのです。




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[ 2016/04/16 ] スピンを楽しもう | TB(-) | CM(2)

ジャンプからスピンの世界

 はじめまして

 素晴らしい記事をありがとうございます!
 糸の上を 息を詰めて渡る綱渡り
 今シーズン彼らがみせた高難度の演技とは
 まさにそんな極限のものだったのですね
 そもそもスピンだけでもものすごくハードな技ですから。
 でも具体的に提示されて初めてイメージすることができました。
 ボーヤンはスピンが下手なんて決めつけていたのですが
 4回転のあとはやりにくいのですね。
 やはり消耗してるんだとわかりました。
 これだとひとつスムーズにいかないと
 後の修復が大変なのですね。
 ニースの頃は転倒してもほとんど影響なく進行できたものが
 そうはいかないのですね。SEIMEIの話がようやく理解できた気がします
 スケーターへの敬意私もあふれ出そうです。尊敬します!
 あのいつか私のブログでこちらのブログ名と共に
 一部引用させて頂いてもよろしいでしょうか
 


[ 2016/04/18 15:12 ] [ 編集 ]

Re: ジャンプからスピンの世界

bluedragonazさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

>  ボーヤンはスピンが下手なんて決めつけていたのですが
>  4回転のあとはやりにくいのですね。

ははは(^^; どうなんでしょう。
世界選手権では4回転4本降りてもレベル4獲っているので、四大陸で消耗していたのかどうかはわかりません。
ただ、一般的に男子は疲れるとキャメルで膝が下がってレベルを落としがちのような気がします。

>  あのいつか私のブログでこちらのブログ名と共に
>  一部引用させて頂いてもよろしいでしょうか

はい、どうぞ。いいですよ~。
[ 2016/04/18 22:50 ] [ 編集 ]

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