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スピンを楽しもう10 ~フライングはこの4パターンを覚えればOK~

番外編が続きましたが、やっと本編に戻ってまいりました。

スピンのレベル判定は一見難しそうですが、コツさえつかめば誰でもできるようになります。
パズルやクイズを解いたり、推理小説を読むのが好きな人は必ずハマります。面白いですよ!

今回はフライング・スピンまたはフライング・エントランス(フライングから入る)のスピンについて取り上げます。
両者の違いはよくわかりません。すみません。←あっさり(^^;)

とりあえずはこれだけ覚えておけばレベル判定には事足りるというパターンが4つあるので、この記事ではそれを取り上げます。
要はレベルの獲れるフライングが3つと獲れないフライングが1つあるということです。その区別さえ覚えればレベル判定はできます。



テクニカルパネルハンドブック P9には「スピンの要件」として、次のように書かれています。
ややこしいけど、ポイントだけ押さえてくださいね。



ショート・プログラムおよびフリー・スケーティングにおける(足換えなしで1姿勢のみの)フライング・スピンおよびフライング・エントランスのスピンでは以下が要求される。

a)はっきりとわかるジャンプを行うこと。
 ジュニアのショート・プログラムにおいてのみ、スケーターは指定された空中姿勢を取ることも要求される。

b)着氷後、最初の2回転以内に基本姿勢に達し、その姿勢に最初に達した瞬間から、その姿勢を2回転保持すること。

記号“V”は、これら要件のうち1つ、または両方の項目が満たされなかったことを示している。



プロトコルに時々“V”の記号がついていることがありますが、それは上記のa)b)の片方または両方を満たしていなかった場合につくんですね。ほとんどがb)を満たしていない場合が多いです。

また、ジュニアについては「指定された空中姿勢を取ることも要求される」とあります。
たとえば今シーズン(2015-2016)はジュニアはSP(ショートプログラム)でフライングシットスピンが課題になっていますが、フライングのときに空中で完全なシット姿勢にならないといけないということです。

まあこれはあまり難しく考えず、レベルが獲れなかったときだけ空中姿勢が取れてなかったのかなと気にすればいいので、最初はレベル4が獲れているケースばかり見て、レベル構成を見つけることに慣れていきましょう。



では具体例を見ていきます。


【レベルが獲れるもの】

★フライングシット

空中でシット姿勢を取って、そのままシットスピンを始めるものです。

サンプルは山本草太選手のジュニアグランプリファイナルのSPよりFSSp4(フライングシットスピン レベル4)のフライングシット部分。

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動画はこちら。クリックするとスピンのところから始まります。→2015 ISU Jr. Grand Prix- Colorado Springs Men Short Program Sota YAMAMOTO
再生速度の調節はYouTube画面右下の歯車マークをクリックしてください。

着氷後、2回転以内にシット姿勢に達し、それを2回転保持しているのを確認してください。

レベル構成は、難フライング(フライングシット)①-フリーレッグを前にしたシットフォワード②-フリーレッグを後にしたシットビハインド③-そこから更に8回転に達するまで回る④です。

※②③は難ポジション。2回転以上しないと認定されません。
 ④はつまり、③で難ポジションで2回転してレベルを獲った後、追加で6回転して全部で8回転回り、「姿勢/バリエーション、足、エッジを変更せずに少なくとも8回転」という特徴でレベルを獲るということです。

難ポジションで8回転すると、難ポジション2回転でレベル1つ、プラス6回転して合わせて8回転でレベル1つと、一粒で2度おいしいレベルの効率的な獲り方ができるのです。これをやっている選手は多いので、このレベルの獲り方を覚えておきましょう。



★バタフライ

フライングと言えばバタフライ。すんごく多いです。
空中姿勢はお腹が氷面と平行になります。そのまま落下したらお腹打っちゃう感じ。アイタタタ(。ノω<。)


【バタフライからキャメルスピンを始める例】

画像は羽生結弦選手のNHK杯SPのFCSp4(フライングキャメルスピン レベル4)のバタフライと着氷後のキャメル姿勢です。

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動画はこちら→羽生結弦2015NHK・SP、B・ユーロ解説翻訳

(GPFの動画は遠目でわかりづらいのでNHK杯のにしましたが、権利関係でGIF動画が作れませんでした。動きを見るには動画のリンクをクリックしてください)

レベル構成は、難フライングエントランス(バタフライ)①-キャメル基本-肩のラインを上にひねったキャメルアップワード②-肩のラインを氷面に垂直に立てたキャメルサイドウェイズ③-そこから8回転に達するまで回る④

※①の前にトウアラビアンを数回やっています。②③は難ポジションで2回転。④は8回転すればレベルが獲れるところを、GOE加点狙いで全部で11回転くらい回っています。



【バタフライからアップライトスピンを始める例】

ユーロのハビエル・フェルナンデス選手のショートより、FUSp4(フライングアップライトスピン レベル4)のバタフライと着氷後のアップライト姿勢。

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動画はこちら→2016 European Championships. Men - SP. Javier FERNANDEZ

レベル構成は、難フライングエントランス(バタフライ)①-上体を前に倒したアップライトフォワード②-上体をまっすぐに、両足に均等に体重をかけてまわるアップライトストレート③-そこから8回転に達するまで回る④ です。

※②③は難ポジションで2回転します。



【バタフライからシットスピンを始める例】

NHK杯、無良崇人選手のSPより、FSSp4(フライングシットスピン レベル4)のバタフライと着氷後のシット姿勢。

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mura_sp_fsp2

動画はこちら→B.ESP. Takahito MURA 無良崇人 SP - 2015 NHK Trophy

レベル構成は、難フライングエントランス(バタフライ)①-フリーレッグを前にしたシットフォワード②-そのままさらに8回転になるまで回る③-フリーレッグを横にしたシットサイドウェイズ④

②④は難ポジションで2回転します。



★デスドロップ

アクセルジャンプを跳ぶような感じで前に向かって足を振り上げて跳びます。
これはシットスピンの時しか使わないようなので、バタフライと比べて上体が立っていたらデスドロップだと思えばいいでしょう。
どっちか見分けがつかなくてもレベルが獲れることには違いがないので、難しく考えなくても大丈夫です。慣れたらそのうち見分けられるようになります。

羽生結弦選手 NHK杯FSのFCSSp4(フライングチェンジフットシットスピン レベル4)より
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動画はこちら→super!!! Yuzuru HANYU 羽生結弦 FS - 2015 NHK Trophy

レベル構成は、難フライングエントランス(デスドロップ)①-フリーレッグを前にしたシットフォワード②-足換え-フリーレッグを後にしたシットビハインド③-そこから8回転に達するまで回る④

※②③は難ポジションで2回転します。



【レベルが獲れないもの】

☆フライングキャメル

フライ返しで選手の体をパッタンとひっくり返すような感じ。
その名の通り、キャメルスピンの前にやります。
難しいフライングとは見なされないので、これをやってもレベルは獲れません。
じゃあなんでやるのかというと、レベル関係なくフライングのスピンが必要なときにやるのです。

羽生結弦選手 GPF FSよりFCCoSp3p4(フライングチェンジフットコンビネーションスピン 3ポジション レベル4)
FC

動画はこちら→NBC. Yuzuru HANYU 羽生結弦 FS - 2015 Grand Prix Final

レベル構成は、フライングキャメル-肩のラインを上にひねったキャメルアップワード①-肩のラインを氷面に垂直にしたキャメルサイドウェイズ②-足換え-フリーレッグを横にしたシットサイドウェイズ③-アップライトビールマン④

※すべて難ポジションで2回転して獲っています。②はレベルを獲るには2回転でいいところをGOE加点狙いで5回転くらいしてます。

宮原知子選手 GPF SPよりFCSp4(フライングキャメルスピン レベル4)
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動画はこちら→2015 Grand Prix Final. Ladies - SP. Satoko MIYAHARA

レベル構成は、フライングキャメル-肩のラインを上にひねったキャメルアップワード①-そのままの姿勢でチェンジエッジ②-キャメル基本-肩のラインを氷面に垂直にしたキャメルサイドウェイズ③-肩のラインを氷面と平行にしたキャメルフォワード④

※①③④は難ポジションで2回転します。キャメル基本は難ポジションではないのでレベルは獲れません。①の姿勢から③の姿勢に移行するまでに姿勢を整えるために入れたのかなと思います。


要はフライングキャメル以外は跳んで入ったらみんなレベル獲れるよということです。

もちろん、着氷後2回転以内に基本姿勢(シット、キャメル、アップライトのどれか)に達して、その姿勢で2回転保持しないとフライングを成功したとは認められませんが。

見分けがつかない、難しいと思われるかもしれませんが、プロトコルを見てレベルがいくつ獲れているかを確認し、レベルの数だけ特徴が見つけられたらいいのです。

そうそう、大事なことを書き忘れてました。
難しいフライングでレベルが獲れるのは、プログラムの中で1回だけです。

なお、スピンの最中にジャンプする場合がありますが、それは「フライング・スピン(またはフライングエントランスのスピン)」とは呼びません。あくまでスピンの頭に跳んだ場合だけをそう言います。


最初はレベル4のものばかり見て練習してみてください。
必ずレベル判定できるようになりますよ。

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[ 2016/02/14 ] スピンを楽しもう | TB(-) | CM(0)

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