上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- ]
スポンサー広告 |
TB(-) |
CM(-)
さあ、いよいよレベル判定に必要な、実践的なことをやっていきます。
難ポジションの見分けです。
難ポジションを覚えたら、レベル判定の勉強は8割がた完了と言っていいでしょう。
それくらい、レベルを獲るために最もよく使われている特徴です。
テクニカルパネルハンドブックではP14~15、19のあたり(「難ポジション」という言葉ではなく「難しいバリエーション」という言葉で載っています)。
そもそも、どういうものが難しいポジションだと判定されるのかというと、
フリーレッグや頭や腕などの動きが、より大きな肉体的強さや柔軟性を必要とし、体幹のバランスに影響を与えているような姿勢を言います。
(※体幹=頭と手足を除いた胴体の部分)
ぶっちゃけて言うと、
そんなことやったらバランス崩すんじゃないの? というような無理な姿勢を取りながらスピンをするということです。
これはジャンプやステップでも言えますね。普通に技をこなすより、難しいことをやりながら技を行えば行うほど点数に結びつくようになっています。
もちろん、質が高くなければ高評価はもらえませんが。
さて、今回は基本3姿勢のうち、
シットスピンの難ポジションについて詳しく見ていきます。
シットスピンの場合、
フリーレッグの位置によって、次の三つのカテゴリに分かれます。
F(フォワード:前)
S(サイドウェイズ:横)
B(ビハインド:後)
略記号では、シットのSと組み合わせて、このように書きます。
SF(シットフォワード)・・・フリーレッグを前に
SS(シットサイドウェイズ)・・・フリーレッグを横に
SB(シットビハインド)・・・フリーレッグを後に覚えましょう(問答無用)。
では順番に見ていきましょうか。画像の下に動画のリンクが貼ってあり、クリックするとそのスピンのところから始まります。速度の調節はYoutube画面の歯車マークをクリックし、数字を小さくしてください。
SF(シットフォワード)
フリーレッグを前に置いた姿勢です。
一番多く見かけるのはこの形ですね。
↓
(中・日字幕付き)GPF 2014 FS + Interview - Yuzuru Hanyu [Eurosport-British] (Chinese/Japanese Subtitled)フリーレッグを真っ直ぐ前に伸ばしてつかみ、上半身はそれにかぶせるように前屈姿勢を取ります。見た目から通称「キャノンボール(大砲)スピン」と呼ばれます。
一応、通称を記してはいますが、レベル判定では通称は使わないので、SF(シットフォワード)というカテゴリ名の方を覚えてくださいね。
次の例もSFです。ちょっと画像が鮮明ではありませんが。
フリーレッグの膝を曲げて軸足の太腿の上に乗せています。いわゆる「パンケーキスピン」と呼ばれるものです。
フリーレッグの位置が前にくるので、これもSFのカテゴリに入ります。
20150530 FaOI in Makuhari Yuzuru Hanyu - Vertigoまあ、これはエキシビションのプログラムだからレベル判定は関係ないんですけども (*^。^*)
次の二つの例もSFです(※Monkonさんに教えていただきました)。
一見、フリーレッグを横に出しているように見えますが、よく見ると
軸足にクロスさせて前に出しているのがわかります。
Denis Ten. 2015 World Championships. FS
Ashley Wagner. 2015 World Championships. FS 二つ目のカテゴリはこちら。
SS(シットサイドウェイズ)
フリーレッグを横に置いた姿勢です。
通称は「ブロークンレッグスピン」。
Javier Fernández. 2015 World Championships. SP
Rika Hongo. 2014 Rostelecom Cup FS 118.15
Ashley Wagner. 2015 World Championships. FSそして、最後がこちら。
SB(シットビハインド)
フリーレッグを後に置いた姿勢です。
一番よく見かけるのが、この軸足の下に曲げたフリーレッグをはさみ込む姿勢。
「リザーブドパンケーキ」と呼ばれます。「パンケーキ」とごっちゃになったら、フリーレッグを軸足の下にはさみ込んでいる「reserved(確保してある)」のが「リザーブドパンケーキ」と覚えるとわかりやすいです。
羽生結弦選手2014年G・ファイナルSP(B・ユーロスポーツ解説翻訳)実はこちらの例もSBなんです。
一見、フリーレッグを前に突き出していてシットフォワードのように見えますが、

姿勢を作るところをよく見ると、フリーレッグを後から軸足に絡めているんですね。だからSB(シットビハインド)です。

静止画像だとわかりにくいですが、動画で確認してもらえればわかります。

フルの動画はこちら。
↓
2015 World Team Trophy. Men - FS. Jason BROWN(※この例もMonkonさんに教えていただきました。ありがとうございました)
以上、シットスピンの難ポジションでした。
フリーレッグを前、横、後に位置し、上体は前に屈んだり横にひねったり、それらに加えてフリーレッグをつかんだり。
とにかく、ただ楽に回っているのではなく、スピンをするのに困難な姿勢を取っていましたね。
これらの姿勢を維持したまま、最低でも2回転します。
そこで初めてレベルが獲れます。
そして、
同じカテゴリの姿勢でレベルが獲れるのはプログラムの中で1回のみです。
たとえば、キャノンボールとパンケーキはどちらもシットフォワードなので、
仮に併用してもレベルはどちらか一方でしか獲れません。ですから、通常は一つのプログラムの中に同じカテゴリのポジションを二つ入れることはありませんが、敢えて入れる場合もあります。
それは、レベル獲得が目的ではなく、GOE加点を狙う場合です。
難ポジションでなくてもいいところで難ポジションを使うことで、高評価を引き出すわけです。
シットスピンの基本形では難ポジションではない、普通のシットスピンの姿勢とはどんな形でしょうか。
こちらがその一例です。
上体をやや起こし、フリーレッグが垂れています。難ポジションに比べると、ちょっと力が抜けてリラックスしたような感じ。
Maxim Kovtun. 2015 World Championships. FSだいたいの選手がこの姿勢をシットスピンの基本姿勢としています。
この姿勢で2回転してもレベルは獲れません。
別のレベル特徴獲得の際にこの姿勢を使うのですが、それはまた別の機会に。
【おさらい】
★SSp(シットスピン)の難ポジションは次の三つのカテゴリに分かれる。
SF(シットフォワード)・・・フリーレッグを前に
SS(シットサイドウェイズ)・・・フリーレッグを横に
SB(シットビハインド)・・・フリーレッグを後に★上体は前屈したり横にひねったり、それらに加えてフリーレッグをつかんだりして
体幹のバランスに影響を与える形に。
★難ポジションで
2回転以上回るとレベルが獲れる。
★
同じカテゴリの姿勢でレベルが獲れるのはプログラムの中で
1回のみ。★一見、別のポジションに見える紛らわしい形もあるので、フリーレッグの位置を見極めて判断しよう。
★シットスピンの基本形は力を抜いてしゃがんだ形が一般的。これだけで2回転してもレベルは獲れない。
スポンサーサイト