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ジャッジが語るPCS (2)

Jスポーツ4 フィギュアスケートラボ#2より自分用メモ その2。

★★★5コンポーネンツ(PCS)の研究★★★

総得点は技術点+演技構成点(5コンポーネンツ)-減点(転倒、音楽違反などがあれば)で出される。たとえ技術点が伸びなくても、演技構成点で高い評価を受ければ挽回も可能。


【スケーティングスキルの特性】

評価項目


・バランス、リズミカルな膝の動き、足運びの正確さ

・流れと無駄な力のない楽な滑り

・深いエッジ、ステップおよびターンの正確さと確実さ

・力強さと加減速

・あらゆる方向へのスケーティングの熟達

・片足でのスケーティングの熟達


評価項目の到達度と点数の関係( )内は点数
--------------
傑出(10)
   (9)
--------------
非常に良い(8)  →約75%
良い(7)     →約75%
--------------
普通より良い(6)
--------------
普通(5)→約50%
--------------
まあまあ(4)
--------------
弱い(3)     →約25%
劣る(2)     →約25%
--------------
非常に劣る(1)
--------------
極めて劣る(1未満)
--------------

スケーティングスキルとは、スケート自体の技術がどれくらいあったかを見ていく。

(例:パトリック・チャンの場合)



非常にスケーティングスキルの高い選手とされている。正確で難しいターン、止まっているところからトップスピードに行くまでの加速の速さ。
ジャンプも素晴らしいがエレメンツではなくスケートそのものの技術を見ている。
スムーズに無駄な力がまったく入らないで滑っている。

転倒があったが、速やかに立ち上がって次のスケーティングに入ってゆく。

ステップシークエンスの中でもスケーティングスキルが出来ていないと正確なターン等ができない。
ステップシークエンスはGOEで評価されるが、スケーティングスキルの評価にも関わってくる。


チャンのSS 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
9.00 9.00 9.00 9.25 9.50 9.00 9.25 9.25 8.75 → 9.11


(例:24位のユストゥス・ストリード(デンマーク)の場合)

※2013worldの動画が見つからないので、その約2か月前の2013年1月26日、欧州選手権の動画を参考までに挙げる。
 ジャンプやスピンの構成も違うのであくまで参考で。2013年 欧州選手権のプロトコル(PDF注意)



演技開始の望遠鏡を覗くような動き→スケーティングスキルではなく上半身の動き

両手を挙げたツイズル→カクカクしていた

ジャンプ前→硬い動き

膝の柔らかさ、ディープエッジに乗っているかどうかを見ていくと、ランひとつとってもぎこちない。
スリー・ターンばかりで技術の高いものが入っていない。

直線的に滑っている(エッジに乗っているとカーブになるはず)。あらゆる方向に進んでいけるのが高い技術を持っていると言える。

全身のバランスも少しぎこちない。

止まって両手でネクタイを直す仕草→このように止まっているところが少し多すぎる。

ストリードのSS 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
5.25 5.75 5.00 5.25 5.75 5.75 5.25 5.50 5.25 → 5.43



【トランジションの特性】

ジャンプ、スピン、ステップといった要素と要素の間につなぎの要素がどれくらい入っているかすべてのムーブメントを見る。単純に滑っているだけでは点数は伸びない。

すべてのムーブメントの中にはターン、ステップ、スケーティングムーブメント(イーグル、イナバウアー、リストにないジャンプ)、ボディムーブメント(体をどのように動かしているのか)が入っている。

評価項目

・多様さ

・難しさ

・複雑さ

・質

評価項目の到達度と点数の関係( )内は点数
--------------
傑出(10)
   (9)
--------------
非常に良い(8)  →約75%
良い(7)     →約75%
--------------
普通より良い(6)
--------------
普通(5)→約50%
--------------
まあまあ(4)
--------------
弱い(3)     →約25%
劣る(2)     →約25%
--------------
非常に劣る(1)
--------------
極めて劣る(1未満)
--------------

(例:パトリック・チャンの場合)

開始早々すでにボディムーブメントがある。ちょっとホップしてロッカーターン、スリーターンを2回、後方ボディムーブメント(後ろに足を上げる)、モホーク、スリーターンから一つ目の要素4T-3T。

一番注目してほしいのは一つ一つの質が素晴らしいこと

チャンのTransition/Linking Footwork 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
9.25 8.75 8.75 9.00 9.75 9.00 9.00 9.00 8.50 → 8.96

一つの要素からもう一つの要素へつながっていってるかどうかを見ている。


(例:24位のユストゥス・ストリード(デンマーク)の場合)

演技が止まっている状態から始まっている。
ツイズルもカクカクして質に問題がある。

ラン→モホーク→ジャンプに入っているが、それ以外は両足滑走。

スプレッドイーグル(スケーティングムーブメント)、カウンター、ラン、簡単なステップをしてスプレッドイーグルが少し入りジャンプ(転倒)。

ジャンプの転倒により、つなぎの部分が少し欠けていってしまうことがある。失敗の仕方によって欠けないことはある。

モホーク、スリーターン、次のジャンプ。

難しさという点ではあまり難しいことをやっているわけではないし、質もあまりいいものではない、普通程度であるという評価になる。

ストリードのTransition/Linking Footwork 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
5.00 5.50 5.00 5.25 5.50 5.25 5.00 5.00 4.75 → 5.14


トランジションの点を上げようと思ったら、スケーティングスキルを上げないと難しい。

スケーティングの技術が確かでないと、トランジションでいろいろなことをやりこなすことはできない。




【パフォーマンスの特性】

評価項目


・体の動き、感情の表現、知性の表出

・身のこなし

・スタイルと個性/人格

・動作の明確さ

・多様さとめりはり

・投射

「投射」とは、自分の持っているアイデアを表に出してみんなに伝えることができたかどうか



評価項目の到達度と点数の関係( )内は点数
--------------
傑出(10)
   (9)
--------------
非常に良い(8)  →約75%
良い(7)     →約75%
--------------
普通より良い(6)
--------------
普通(5)→約50%
--------------
まあまあ(4)
--------------
弱い(3)     →約25%
劣る(2)     →約25%
--------------
非常に劣る(1)
--------------
極めて劣る(1未満)
--------------


番組内で全部を見るのは難しいので、美しい身のこなしができたかどうか、動作が明確であったかどうかの2点に絞って見てみる。

(例:デニス・テンの場合)




姿勢が良く、身のこなしが良い。一つ一つのムーブメントが明確。

3A後→人格も見えてきた。

曲調が変わる→体の動き自体も変わったし、表情、表現の仕方も変わった。

心に残る演技であったかどうか。非常に良いというレベルに達していた。

デニス・テンのPerformance/Execution 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
9.25 8.50 8.75 9.50 8.50 8.25 8.75 9.25 9.25 → 8.89



【コレオグラフィーの特性】

振付師のコンセプト、アイデアと選手の高度な技術が融合すれば、心に残るプログラムが完成する。

評価項目

・目的(アイデア、コンセプト、ビジョン、雰囲気)

・配分(各部分の等しい重み付け)

・統一性(全動作の意図的な一貫性)

・個人的および公的空間の利用

・フレージングと形式(動作および部分が音楽のフレーズに合っていること)

・目的、動作およびデザインの創造性



評価項目の到達度と点数の関係( )内は点数
--------------
傑出(10)
   (9)
--------------
非常に良い(8)  →約75%
良い(7)     →約75%
--------------
普通より良い(6)
--------------
普通(5)→約50%
--------------
まあまあ(4)
--------------
弱い(3)     →約25%
劣る(2)     →約25%
--------------
非常に劣る(1)
--------------
極めて劣る(1未満)
--------------


プログラムの構成、リンクの使い方(全体をくまなく使っているか)を見ている。

「統一性」はすべての動作が意味合いを持って構成されていたかどうか。

「個人的および公的空間の利用」は自分だけで満足して滑っているのではなく、見ている人の空間までもを支配していたかどうか。

独創性があったかどうかも見ている。


(例:デニス・テンの場合)

独創性、明確な意図のある振り付けかを見ていく。

「アーティスト」という曲の持つ雰囲気が表現されているかどうかが見えてきているし、音楽に合った動きになっている。


デニス・テンのChreography/Composition 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
9.50 8.50 8.50 9.50 8.50 8.50 8.50 9.00 9.50 → 8.86


【インタープリテーションの特性】

評価項目


・音楽に合った無駄のない楽な動作(タイミング)

・音楽のスタイル
 特徴およびリズムの表現

・音楽のニュアンスを反映するためのフィネスの利用

フィネスとは、音楽がだんだん速くなったり(強さ)遅くなったり(弱さ)するのを表現できていたかどうかということ。


評価項目の到達度と点数の関係( )内は点数
--------------
傑出(10)
   (9)
--------------
非常に良い(8)  →約75%
良い(7)     →約75%
--------------
普通より良い(6)
--------------
普通(5)→約50%
--------------
まあまあ(4)
--------------
弱い(3)     →約25%
劣る(2)     →約25%
--------------
非常に劣る(1)
--------------
極めて劣る(1未満)
--------------



「音楽のニュアンスを反映するためのフィネスの利用」に注目して演技を見てみる。

(例:24位のユストゥス・ストリード(デンマーク)の場合)

速いパートからスローパートへ→動き自体は遅くなっているが、ムーブメントは変わっていない。

もっと曲の特徴をとらえて流れを表現できるといい。


ストリードのInterpretation 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
5.75 5.75 5.25 5.75 6.00 6.25 5.25 5.75 7.00 → 5.79



(例:デニス・テンの場合)

フライングシットスピン→スイングの動作が入っていたが、音が強くなるところが表現されていた。

曲調が変わる→軽やかな動き、ちょっとした動きだったが表現されていた。

一つ一つの音に合わせて、ムーブメントがつながっていた。

音が弱くなったところ→スプレッドイーグルというふうに、きちんと表現できていた。

思わずガッツポーズ→曲によっては合わないこともあるが、この曲には違和感はない。

デニス・テンのInterpretation 各ジャッジがつけた点と最終的な得点
9.25 8.75 8.75 9.50 8.50 8.50 8.75 8.75 9.25 → 8.86


【まとめ】

5コンポーネンツはどの項目も連動性があり、スケーティングスキルはスケートの土台。
土台がしっかりしていないと、他の項目はしっかりとやりこなせない。

何といってもスケーティングスキルをしっかりと磨いてほしい。

家造りに例えると、
スケーティングスキルは土台。
振り付けは設計。
パフォーマンスはどういう家を実際に作るか。
トランジションは廊下。
インタープリテーションは設計通りに建てられたか、スムーズに廊下を通って各部屋に入れたかを見る。

それぞれを別々に見ているので、5項目すべてが同じような点数になることはない。


【減点について】

テクニカル・パネルが見る減点

・転倒 転倒するごとに-1.00

レフェリーが見る減点

・制限時間違反 5秒ごとに-1.00

レフェリーを含むジャッジの多数決で見る減点(5対5なら減点とは見なされない)

・音楽違反 -1.00
・衣装、小道具の違反 -1.00



◆演技中断の新ルール
今シーズンは五輪があるため、演技中断でエキサイティングな試合が出来なくなるのを防ぐために設けられた。

予期せぬ故障や装具の不備などで演技を中断した場合

40秒以内に再開(レフェリーへの申告なし)
 10秒以内 → 減点なし
 11~20秒 → -1.00
 21~30秒 → -2.00
(新)40秒を超えた場合 → 棄権


レフェリーへ中断の申告をした場合は3分間の猶予

(新)3分以内演技再開 → -5.00
 3分以内では不可能 → 棄権
 2度目の中断も棄権となる。

いかなる中断もPCSに影響することとなり、演技の中断が順位に大きく響くこととなった。



TES編はこちら。

テクニカル・パネルの役割(1)

テクニカル・パネルの役割(2)

テクニカル・パネルの役割(3)

テクニカル・パネルの役割(4)

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[ 2014/04/07 ] フィギュアスケート資料室 | TB(-) | CM(0)

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