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輸出される日本語

「みんなでニホンGO!」を見た。「驚きのマンガ翻訳現場」なんてラテ欄に書いてあったら、オタクとしては興味津々ですよ(笑)

ただでさえ日本語はオノマトペが豊富なのに、マンガは最もオノマトペが使われている分野。それが翻訳時の壁になっているとか。ほほぅ。

画面にはアメリカはサンフランシスコで「NARUTO」の1シーンを前に翻訳会議が開かれているところが映る。47巻182P、多重影分身の術でものすごくたくさんの数になったナルトがペインに突撃していくところ。

画面に描かれている擬音語は「ズザザザザ」。これをどんな英語に直すか5人のアメリカ人男女が喧々諤々(けんけんがくがく)やってるわけですよ。これは足音だとか風の鳴る音だとか、おのおのが解釈を述べ合うわけですよ。

で、大きい絵だから大きいひとつの音にしようということで、強い風の音を表す「WHOOOOSH」に決まる。

どんなふうに英語の描き文字に直してんのかなと思ったら、パソコン画面に表示された原稿の日本語の描き文字の上をドラッグすると、英語の描き文字が上に被さってた。途中までの作業しか見せなかったけど、あんなふうにやって元から英語で描かれてたみたいに見せるんだな。

一番難しいのは静寂を表すオノマトペ。アメリカにはそんなのないそうだ。音がすればそれは静寂ではなくなる。そりゃそうだよな。

そこで46巻40Pのカカシ先生の目のアップが出る。きゃ~♪ カッコいい。
チョウジ父子と共にペインと闘い、最後の力を振り絞って万華鏡写輪眼を使おうとするシーンですよ。
「……オレは確実に-」「死ぬ!」の「死ぬ!」のシーンですよ。

ナレーションが説明する。
「例えばこのシーン。『スウ・・・』は顔色の変化を表す無音のオノマトペ」

NARUTOの翻訳

違うからね! 「死ぬ!」ってビビッて顔色失くしてんのと違うからね!(笑)
万華鏡写輪眼を発動する時の瞳の変化を表した擬態語だからね。

しかし、これを翻訳して表現してしまうと、実際にそんな音が鳴ったかのように見える。ってんで、「FSSH」という新しい言葉を作る。

また、47巻136Pの九尾が「ピクピク」と蠢くさまは、細かい振動を表す「FZZ」を使っている。

だが、これが無音であることが読者にはちゃんと伝わっているのか?

マンガの人気はアメリカの子供たちの音のとらえ方に影響を与えていると思う、静寂も音で表せると理解できるようになってきたと編集者は語る。

……それっていいことなのか?

なんでもかんでもオノマトペで表現すりゃいいってもんじゃないだろうに。マンガは基本、絵で表現するもんだと思うよ。絵から登場人物の心情とか置かれている状況とか読み取るのが面白いのに。

例えば驚いてるキャラの横に「ビクッ」と書かれてたら、誰が読んでもキャラの驚き具合は一緒でしょ。「ビクッ」以上でも以下でもない。

それが表情とか姿勢とかを絵だけで表現されてたら、人によってめっちゃ驚いてると感じる人もいれば、余裕見せようとしてんのにビビッてるのがバレバレだなと感じる人もいるだろうし、いろんな読み取り方ができるのにな。なんでもオノマトペで説明しちゃうと、そういう楽しみがなくなると思うんだよなあ。

オノマトペの話の次に、言葉の意味が変わってとらえられてきていることについてもやってた。

調査によると、大声で泣くという意味の「号泣」を声を押し殺して泣くと間違って思い込んでいる人が各世代にそれぞれいて、10代ではなんと半数以上いるらしい。

これ、私もずっと気になってたんだよな。ラテ欄のワイドショーのタイトルとか見ると、「○○が号泣!」と書かれているのに、実際に見たら涙ぐんでただけ、とか、「○○を激白!」と書かれているのに、実際はぽつりぽつりと静かに語ってるだけだったりとか。

だいたい「激白」なんて言葉ないよな。告白の激しいバージョンって意味だろうけどw
これらの言葉の意味がむちゃくちゃになったのは、み~んなマスコミが悪いと思う。ラテ欄やら雑誌のタイトルに間違った「号泣」やら「激白」やらを使うマスコミのせいだよ。うん。

で、後半は中国に日本製の熟語が逆輸入されているという話だった。「共産主義」って日本で作られた言葉なんだね。知らんかったわ。

「愛人」も日本製で、もともとは「交際相手」という意味だった。それが中国人、韓国人がおのおの自国へ持ち帰ったあと、日本では「浮気相手」の意味に変化し、中国では「配偶者」に変化し、韓国はそのまま「交際相手」が残った。それで3国間では「愛人」の意味がそれぞれ違ってしまった……など。

日本製の熟語がたくさん作られたのは、明治時代。日本語にない外国語が入ってきたからだという。「哲学」とか「象徴」とか、あともうひとつ、なんだっけ。

とにかく、当時の知識人は外国語にドンピシャの漢字を当てはめて熟語を作れるほど漢字の素養があったのだ。今の若い親がバラバラな漢字をくっつけてDQNな名前を子供につけるのとはワケが違う。

暴走族の夜露死苦じゃあるまいし、モビールみたいに一字一字バラバラな漢字を当てはめて名づけをするのって、恥ずかしいと思う。良くない意味の漢字なのに知らずにつけてたりとかめっちゃ恥ずかしいと思う。

こないだ、ローカルTVの夕方の情報番組を見ていたら、「風リル(ふりる)」ちゃんという女の子と「楽(るん)」くんという男の子の姉弟が出てきて、あまりの強烈さに愕然とした。
この子ら日常生活で困ると思うねんけどなあ……。

閑話休題。

去年輸出された言葉が「草食男子」。中国と韓国では「草食男」と言うらしいけど、これも日本では女性にガツガツしない男の意味だが、中国ではなよなよした頼りない男という意味に変化し、韓国では化粧したりするイケメンの意味で使われているらしい。お国事情によって同じ言葉でも変化していくんだな。

次週も面白そうなテーマ……なのはいいんだけど、なんかなあ、肩の凝らない見やすい番組にしようと思ってるのか知らないけど、スザンヌにおバカっぷりをさらさせて笑いを取ったり、芸人に女性用の長髪カツラをかぶせてアジエンスのCMソングを鳴らしてみたり、韓国人役の俳優に冬ソナのヨン様の扮装させてみたり、民放を見習ってライトな感じで頑張ってます! 的な演出がやり過ぎなんだよなあ。NHKは自分たちの笑いのセンスが世間とは微妙にズレてるってことに気づいてない。そこがイタい。

もっとシンプルに教養番組としてやりゃあいいのにと思うよ。こういう小細工を弄した演出さえなけりゃ、もっと積極的に見たい番組なんだけど。
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[ 2010/05/14 ] 倉庫4 | TB(0) | CM(0)

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