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スピンを楽しもう28 ~レベルを落とした原因を探る(ボストン世界選手権女子FSより)~

レベル取りこぼしの原因究明、最後はボストン世界選手権女子FSより、9名のケースを見ていきます。
サンプルとしてちょっとバラエティに乏しいですね。少ないのを喜ぶべきか…(^^;

【資料置き場】
テクニカルパネルハンドブック2015/2016版
コミュニケーション第1944号
ボストン世界選手権リザルトページ
女子FSプロトコル
スピンを楽しもう目次
スピン表記の見方↓



YouTubeの再生速度は画面右下の歯車マークをクリックし、速度の数字を変えてみてください。スローだけでなくノーマルスピードでも見た方が全体の流れがわかります。

通常、選手は単一姿勢のスピンならレベル4を、コンビネーションスピンの場合はレベル4かつ基本姿勢3つ入りを予定して構成しています。

レベルを落としたところに★をつけました。


本郷理華
CCoSp2p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢の2つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/cZG3X9m1p6c?t=4m14s
【予定構成】
キャメル基本形-NBP(非基本姿勢)①-SS(シットサイドウェイズ)②-ヘアカッター③-UB(アップライトビールマン)④

基本姿勢の数は2つ、レベルは3ですね。
直前のジャンプでミスしたために、時間が足りなくなったようです。

キャメル基本形で2回転。これはコンビネーションスピンに3つの基本姿勢を入れる、そのうちの1つをやっています。
①NBPの中のウィンドミルという姿勢、この姿勢だけは難ポジションとしてレベルを獲るためには3回転必要です。
★②フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転するところ、軸足の腿が氷面に平行になるくらいまで腰を完全に落としてから1回転しかできていません。
③UL(アップライトレイバック)の難ポジションであるヘアカッターで2回転。
④ビールマン姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形-NBP(非基本姿勢)①-SS(シットサイドウェイズ)★-ヘアカッター②-UB(アップライトビールマン)③

SSで2回転できなかったのでレベルを落としてレベル3となりました。また、シット姿勢はSSのみだったので、これが認定されなかったことにより、3基本姿勢入りの予定がキャメルとアップライトの2基本姿勢のみの認定となりました。




ガブリエル・デールマン
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢の3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/CT3fTE83NII?t=4m25s
【予定構成】
キャメル基本形-NBP(非基本姿勢)①-SF(シットフォワード)②-足換え-(キャメル基本形-SS(シットサイドウェイズ)③-アップライト基本形)④

基本姿勢は3つとも認定されていますが、レベルを1つ落としています。

かかとの方からスピンに入る、バックエントランスというやり方をとっているため、バランスを崩しています。ソチ五輪シーズンにはレベル特徴の1つだったほど難しい入り方です(「選手がみんなやるようになり、レベル特徴から外された」by 岡部由起子さん)。
最初の1回転は軸足の膝が曲がり、フリーレッグも下がっているようです。その後、姿勢を立て直しますが、1回転しかできていないのでキャメル姿勢は認定されていないと思います。

★①NBPのウィンドミルで3回転のはずが、回り切る前に姿勢を崩しています。
②フリーレッグを前にしたSFで2回転。通称キャノンボールですね。
足換え。
「足換え後3基本姿勢」でレベルを獲ります。まずキャメル基本形で2回転。フリーレッグを横にしたSSで2回転して③のレベルが獲れました。最後はアップライト基本形で2回転。アップライトはこれ1つしかないので、3基本姿勢認定されているということは、これは姿勢が認定されているとわかります。

【結果】
キャメル基本形★-NBP(非基本姿勢)★-SF(シットフォワード)①-足換え-(キャメル基本形-SS(シットサイドウェイズ)②-アップライト基本形)③





チェ・ダビン
LSp3
(レイバックスピン)背中をアーチ型に反らせたスピン
https://youtu.be/YpplLL6tTrI?t=4m18s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)-(レイバックサイド+8回転①→バック(ヘアカッター)②)③-UB(アップライトビールマン)④

難エントランスはレベル獲得のためではなく、GOE加点狙いのようです。レベル特徴が4つより多い場合、スピンそのものに組み込まれている特徴が優先されるのではないかと思います。この場合、難エントランスはスピンの導入部、いわば飾りみたいなものですよね。だからレベル構成から除外でいいのかなと思いました。

★①レイバックサイドの姿勢で8回転回るはずが、回り切る前に次のバック姿勢へと移行し始めています。
②バックのヘアカッターという難ポジションで2回転。同時にサイド→バック2回転ずつの姿勢変更が達成されて③のレベルも獲得。
④難ポジションのビールマンで2回転。

【結果】
難エントランス(イリュージョン)-(レイバックサイド+8回転★→バック(ヘアカッター)①)②-UB(アップライトビールマン)③

レベル4を獲れた四大陸FSと見比べるとわかりやすいでしょう。→https://youtu.be/ZVdmoUROsMs?t=4m7s





パク・ソヨン
FCSp3
(フライングキャメルスピン)跳んで始めるキャメルだけのスピン
https://youtu.be/aNbrj4OV490?t=1m31s
【予定構成】
難フライングエントランス(トウアラビアンからのバタフライ)①-CU(キャメルアップワード)②-CF(キャメルフォワード)③+チェンジエッジ④

難しいですね。間違っているかもしれないのですが…。
★①トウアラビアンからバタフライを跳びますが、着氷時とCUでトラベリングして横にズレていってます。これでコントロールされていないと判断されたのでは。

フライングのスピンでVがつくのは、はっきりとしたジャンプがないか、または、着氷後2回転以内に基本姿勢に達して2回転保持していない場合です。
この場合はこれらの要件を一応クリアしているので、Vはつかなかった、その代わりにフライング後のスピンがちゃんとコントロールされていなかったのでレベルは獲れなかったんじゃないかと思うのですが…。

②肩のラインが氷面と垂直よりさらに上にひねるCUで2回転。
③肩のラインが氷面と平行になるCFで2回転。
④同時にチェンジエッジ。かかと方向へ回っていたのがつま先方向へ。チェンジエッジ前後に2回転ずつ必要。チェンジエッジ前はCUで、チェンジエッジ後はCFで2回転しているのでクリア。

【結果】
難フライングエントランス(トウアラビアンからのバタフライ)★-CU(キャメルアップワード)①-CF(キャメルフォワード)②+チェンジエッジ③


SPでも同じ構成のFCSpをしており、こちらはレベル4が獲れています。→https://youtu.be/54WEu7mIRvo?t=1m24s
バタフライ着氷後、衝撃を吸収してすぐにCUに持って行くコントロール力が見事です。

欧州選手権のFSでもレベル4です。→https://youtu.be/ZqY5vI24Gds?t=1m14s

やはりレベル4を獲れたものと比べると、今回のスピンは全体的にグラグラしてしまっているように見えます。





ロベルタ・ロデギエロ
FSSp3
(フライングシットスピン)跳んで始めるシットだけのスピン
https://youtu.be/XNU5peGPLE8?t=3m47s
【予定構成】
難フライングエントランス(デスドロップ)①-SF(シットフォワード)②-同足ジャンプ③-SB(シットビハインド)④

これはちょっと難しいですね。フライングのスピンでVがついていないということは、はっきりとしたジャンプがあり、着氷後2回転以内に基本姿勢(この場合はSF)で2回転保持がクリアできているということなので、怪しいとしたら③か④になります。

④のSBは軸足の腿が氷面と平行な状態でちゃんと2回転回れていますし、となると③の同足ジャンプですかね~。
同足ジャンプの要件は、ジャンプ前に基本姿勢か非基本姿勢で2回転、着氷後2回転以内に基本姿勢で2回転保持というものです。
ジャンプ前はSFで2回転できているので、ジャンプして着氷後2回転以内にSBの姿勢が取れなかったということなんでしょうか。
となると、SPのFSSp3と同じ理由でレベルを落としていることになりますね。

ちょっと自信がありませんが、消去法で考えたらこうなるのかな…。
【結果】
難フライングエントランス(デスドロップ)①-SF(シットフォワード)②-同足ジャンプ★-SB(シットビハインド)③




アンナ・クニチェンコワ
LSp3
(レイバックスピン)背中をアーチ型に反らせたスピン
https://youtu.be/LHlpvzSuT38?t=3m18s
難エントランス(イリュージョン)①-レイバックサイド(ヘアカッター)②+8回転③
これはSPと同じでもともとレベル3構成ですね。




ニキ・ヴォリーズ
Lsp3
(レイバックスピン)背中をアーチ型に反らせたスピン
https://youtu.be/GauVsPaPfvA?t=2m9s
【予定構成】
難エントランス(難ターン連続)①-(レイバックサイド→バック)②-ヘアカッター③-UB(アップライトビールマン)④

これは最初、難エントランスだということがわからず、もともとレベル3構成でレベルを取りこぼしたわけではないのかなと思ったんですが、SPを見てみたら全く同じ構成のレイバックスピンをやっていて、そこではレベル4獲れているんですね。よくよく見ると、難しいターンを2つ連続でやって、ただちにスピンに入っているではありませんか(カウンター+ロッカー?)。

SPのLSp4→https://youtu.be/a2rwjdOS7jw?t=1m55s

レイバックスピンの難エントランスといえばイリュージョンと思い込んでいたので、盲点でした。

で、このFSではどこのレベルを落としているかというと、まさしくこの難エントランスなのではないかと思います。
★①左足で前向きにターンを始め、切り返して後向きになり(カウンターだと思います。たぶん)、また前向きになるためにターン(たぶんロッカー)をしようとして、ホップしてしまう(氷からエッジが一瞬浮いてしまってターンになっていない)。それで難エントランスが認められなかったのではと推察します。違ったらごめんね(^_^;)

②レイバックのサイドとバックをそれぞれ2回転ずつすることでレベルが獲れる。
③難ポジションのヘアカッターで2回転。
④難ポジションのビールマンで2回転。

【結果】
難エントランス(難ターン連続)★-(レイバックサイド→バック)①-ヘアカッター②-UB(アップライトビールマン)③





アナスタシア・ガルスチャン
FSSp3
(フライングシットスピン)跳んで始めるシットだけのスピン
https://youtu.be/jE7MiATnQMI?t=1m48s
【予定構成】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②-SS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)④

①空中でシット姿勢を取るフライングシット、着氷後2回転以内にSFの姿勢で2回転保持。同時に難ポジションとしてもレベル獲得。
②フリーレッグを横にしたSSで2回転。
★③フリーレッグを後にしたSBで2回転するはずが、腿が氷面と平行になるまで腰が落ちないまま終わってしまう。

【結果】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②-SS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)★



*****

レベルの獲り方は割とパターンが決まっているため、わかるときはサクサク進むのですが、それにとらわれてしまうと、思わぬところで落とし穴にはまることがあります。
パターンを頭に入れつつも、思い込みは排除して見るのがいいですね。


これでボストン世界選手権の男子と女子について一通り見てきました。
あとは2016-2017シーズンになってルールがどう変わったか、そのポイントについて説明してこの連載をひとまず終えたいと思います。

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[ 2016/07/06 ] スピンを楽しもう | TB(-) | CM(0)










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