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スピンを楽しもう26 ~レベルを落とした原因を探る(ボストン世界選手権女子SPより)~

今回は女子SPをやりますね。

あ、その前に前回の記事、書きかけで間違った内容のままうっかり上げてしまっていた(←おい;)フィリップ・ハリスのCCoSp3p2と、どうしてもわからなかったスラヴィク・ハイラペティアンのCCoSp3p3について訂正・加筆してありますので、お時間のある時にでもご確認くださいませ。→http://rencadiary.blog14.fc2.com/blog-entry-482.html


さて、どうでしたか、前回の記事を読まれた方。

なんかめんどくさそう? ややこしそう?

大丈夫、そのうち慣れるから。

要は刑事みたいなもんです(田中の方ではなく)。プロトコルという証拠をもとに、コイツが怪しいという容疑者(原因)にアタリをつけ、「おまえがやったんだろ。おまえだな。吐け、さあ吐け」と追及していって自白させるような感じですね。←どんなんや

プロトコルがあるからこそできるんです。なけりゃ素人には無理。

苦労するのはやはり回転数のカウントじゃないかと思います。テクニカル席から見るのとはどうしても角度が違いますし、大会ごとにバラつきもありますし。そもそもどういう基準でテクニカルが判定しているのかもわからないし(胴体がどのくらいの角度まで回ったらOKとかフリーレッグの先が到達した地点とかあるのかな?)。

やはりそこは同じ試合のレベルを満たしているスピンと見比べて、ここまでの回転なら認定されてる、この場合は認定されてない、と感覚をつかむしかないです。

レベル判定はわからないよりわかった方が競技を見るのが断然面白くなります。選手ごとの戦略の違いもわかってくるし。
最初は難しくて歯が立たなくても、見慣れてくると必ずわかるようになりますので、あきらめずにやってみましょう。
今日見てわからなかったことも、時間を置いて見ると気づくことも多々あります。


*****


ざっとレベル取りこぼしのチェックポイントを書きます。

【チェックポイント】
(1)回転数が足りているか
難ポジションなら2回転しないと認定されないなど、必須回転数があります。それを満たしているかどうか。

(2)姿勢が定義を満たしているか
シットで軸足の腿が氷面と平行になるくらいまで腰を落とせてなくて高いとか。
キャメルでフリーレッグの膝がヒップより下がってしまっているとか。

(3)難フライング着氷後2回転以内に基本姿勢に達して2回転保持できているか
基本姿勢になれないまま2回転以上回ってしまって「着氷後2回転以内」がクリアできていない場合。
「着氷後2回転以内」に基本姿勢に達したものの、「その姿勢を2回転保持」できなかった場合。
どちらも記号「V」がつきます。はっきりしたフライングができない場合も「V」はつきますが、ほとんどが上の2つのケースに当てはまります。

(4)難エントランスからただちに基本姿勢に達して2回転保持できているか
イリュージョンやダブルスリーなどからスピンを始めたものの、バランスを崩して上記の要件がクリアできていない場合があります。姿勢の定義と回転数、両方をチェックしましょう。

(5)チェンジエッジジャンプ前後で2回転ずつしているかどうか
チェンジエッジにせよスピン中のジャンプ(同じ足で着氷または足換え)にせよ、行う前後にそれぞれ2回転ずつ必要ですが、どちらかが欠けてしまっている場合が多いですね。

(6)コントロールを失った状態になっていないか
激しくトラベリングして横移動していたり、グラグラしていないか。かろうじて姿勢が取れて2回転していたとしても、コントロール技術がないと見なされればレベルは獲れません。スローではわかりにくいのでノーマルスピードでも見てみましょう。


【必要なもの】
紙とペン
テクニカルパネルハンドブック2015/2016版
コミュニケーション第1944号
ボストン世界選手権リザルトページ
女子SPプロトコル
スピンを楽しもう目次




【やり方】
(1)本来のレベル構成を考える
プロトコルのスピンの略記号を見て、レベル4構成、コンビネーションの場合は3基本姿勢と仮定して、本来の予定はどうだったか、構成を考えます。足換えのあるスピンの場合は足換えの前後にスピンの数が2つずつ配置されます(アシュリーやミハルのように足換えを2回やる特殊な例は除く)。

(2)レベル特徴をクリアできているか、構成1つずつを見ていく
実際のレベルの数や基本姿勢の数(コンビネーションの場合)、フライングの場合は失敗してVがついてないかどうかを確認し、原因を探っていきます。


動画の再生速度は遅くしたりノーマルにしたり、歯車マークをいじっていろいろ変えて見てみてください。

あくまで推測なので、間違ってたらごめんなさい(。-人-。)
間違いに気づいた方はコメント欄で教えていただけると助かります。

それと今更ですが、「レイバックサイド」とはテクニカルパネルハンドブックP8で言うところの「サイドウェイズ・リーニング・スピン」のことです(レイバックで横に倒すやつです)。長いのでサイドとだけ書いています。

レベルを落としたところには★をつけています。

自信のないのがいくつかあるけど…ご存知の方、教えてください(。>ω<。)ノ

では、行ってみよう。

グレイシー・ゴールド
LSp3(レイバックスピン)背中をアーチ型にそらしたスピン
https://youtu.be/iZoePHVsggg?t=1m10s
【予定構成】
(レイバックサイド→バック(ヘアカッター)②)①+8回転③ーUB(アップライトビールマン)④


①②レイバックのサイド→バックを各2回転して姿勢変更をするとレベル1つ、そのうちのバックを難ポジションのヘアカッターにすることでレベル1つというふうに同時に2つレベルを獲るやり方です。
★③②でレベルを獲った後、プラス6回転して8回転に達したらまたレベルが1つ獲れるはずでしたが、7回転したところでビールマンに姿勢変更を始めています。
回数カウントの仕方ですが、ヘアカッターはフリーレッグをつかんで頭に引き寄せている最中は数えません。姿勢が固定されてからカウントします。
④難ポジションのビールマンで2回転。

【結果】
(レイバックサイド→バック(ヘアカッター)②)①+8回転★ーUB(アップライトビールマン)③




ロベルタ・ロデギエロ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/8RVWrW830tQ?t=2m14s
【予定構成】
キャメル基本形+チェンジエッジ①-SS(シットサイドウェイズ)②-足換え-(キャメル基本形-シット基本形ーUS(アップライトストレート)④)③


基本姿勢は3つとも認定されています。それも頭に入れておいて見ていきます。
①キャメル基本形でチェンジエッジ。前後で2回転ずつ。
②フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
足換え。
★③「足換え後3基本姿勢」でレベルを獲るために、まずキャメル基本形、シット基本形、アップライト(難ポジションのUS)をそれぞれ2回転ずつ入れる予定が、シットで腰が高いまま回ってしまい、やっと腰を落としてからは1回転しかできておらず、姿勢が認定されていません。
「足換え後3基本姿勢」でレベルを獲る場合、3基本姿勢のどれか1つでも姿勢が認定されないとレベルが獲れないわけですね。
④上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形+チェンジエッジ①-SS(シットサイドウェイズ)②-足換え-(キャメル基本形-シット基本形★ーUS(アップライトストレート)③)★


コンビネーションスピン全体にいくつ基本姿勢が入っているかについては、シット基本形が認定されなかったものの、もう一つのシット姿勢SSが認定されているため、キャメル、アップライトと合わせて基本姿勢が3つ認定されています。


FSSp3(フライングシットスピン)跳んで始めるシットだけのスピン
https://youtu.be/8RVWrW830tQ?t=2m38s
【予定構成】
難フライングエントランス(デスドロップ)①-SF(シットフォワード)②ー同足ジャンプ③-SB(シットビハインド)④


略記号にVがついていないので、難フライングとその後の2回転(この場合はSF)は認定されていることがわかります。
となると、落としているのは③か④ですね。

①②難しいフライングであるデスドロップ(たぶん。フライングキャメルみたいに見えますが)を跳び、着氷後2回転以内に難ポジションのSFで2回転しているので、2つ同時にレベル獲得。トラベリングはしているものの、この程度なら許容範囲のようです。
★③同じ足でのジャンプ。ジャンプ前の2回転はSFでクリアしていますが、着氷後2回転以内にSBの姿勢を取ろうとするものの、腰が高いまま回ってしまっているのでシットの姿勢が認定されていません。
④その後、腰をしっかり落としてSBの姿勢をきちんと取ることができて、そこから2回転できています。

【結果】
難フライングエントランス(デスドロップ)①-SF(シットフォワード)②ー同足ジャンプ★-SB(シットビハインド)③



エミー・リン
FSSp3
(フライングシットスピン)跳んで始めるシットだけのスピン
https://youtu.be/PLy-BsdgWI4?t=3m4s
【予定構成】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②ーSS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)④

これも略記号にVがついていないのでフライングは認定されていることがわかります。

①②空中でシット姿勢を取るフライングシット、着氷後2回転以内にフリーレッグを前にしたSFで2回転保持。同時に難ポジションとしてのSFでもレベルを獲る。
③フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
★④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転するはずがギリギリ回り切れていない。

※フリーレッグを軸足の後にはさみ込むタイプのSBは、腰を落とすまでに時間がかかることが多く、これでレベルを落とすケースをよく見ます。

【結果】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②ーSS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)★


LSp3(レイバックスピン)背中をアーチ型にそらしたスピン
https://youtu.be/PLy-BsdgWI4?t=3m16s
【予定構成】
(レイバック+8回転①→サイド)②-ヘアカッター③-UB(アップライトビールマン)④


①背中を真後ろに反らせたレイバック姿勢で8回転。
②サイド姿勢で2回転することで、バック→サイド(2回転ずつ必須)の姿勢変更を達成。
③難ポジションのサイドのヘアカッターで2回転。
★④難ポジションのビールマンで2回転するはずが回り切れず。

【結果】
(レイバック+8回転①→サイド)②-ヘアカッター③-UB(アップライトビールマン)★




ニコール・ラジコワ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/FYa5tC90lvw?t=3m1s
【予定構成】
キャメル基本形ーSS(シットサイドウェイズ)①-UF(アップライトフォワード)②-足換えーNBP(非基本姿勢)③-US(アップライトストレート)④


キャメル基本形からスピンを始める。
①フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
★②上体を前に倒したUFという姿勢で2回転するはずが回り切れず。
③NBP(基本姿勢のどの定義にも合わない姿勢)の難ポジションで2回転。
④上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形ーSS(シットサイドウェイズ)①-UF(アップライトフォワード)★-足換えーNBP(非基本姿勢)②-US(アップライトストレート)③


基本姿勢はキャメル、シット、アップライトの3つとも認定(UFは認定されませんでしたが、代わりに最後のUSが認定されているので3基本姿勢入りとなりました)。



アンジェリーナ・クラヴァルスカ
FSSp3
(フライングシットスピン)跳んで始めるシットだけのスピン
https://youtu.be/AxRRgFRnhjU?t=3m
【予定構成】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②+チェンジエッジ③-SB(シットビハインド)④


①②空中でシット姿勢を取るフライングシット、着氷後2回転以内にフリーレッグを前にしたSFで2回転保持。同時に難ポジションとしてのSFでもレベルを獲る。
③SFの姿勢のままでチェンジエッジ。かかと方向からつま先方向への変更。チェンジエッジの前後に2回転ずつ。
★④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転するはずが、回り切る前でやめてしまっている。

【結果】
難フライング(フライングシット)①-SF(シットフォワード)②+チェンジエッジ③-SB(シットビハインド)★



LSp3(レイバックスピン)背中をアーチ型にそらしたスピン
https://youtu.be/AxRRgFRnhjU?t=3m16s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)①-(レイバックサイド+8回転②→バック(ヘアカッター)④)③

①イリュージョンを1回やって、ただちにレイバックサイド姿勢で2回転した時点で難エントランスとしてのレベル獲得。
★②レイバックサイド姿勢でさらに6回転して合計8回転まで回るはずが、回っている間にかなりのトラベリングを起こしている。
③④バックのヘアカッターで2回転。これでサイド→バック(各2回転)の姿勢変更が成立。同時に難ポジションとしてもレベル獲得。

【結果】
難エントランス(イリュージョン)①-(レイバックサイド+8回転★→バック(ヘアカッター)③)②


※ちょっと自信がありませんが、認定されない箇所があるとすればサイドで8回転している間だと思うので…。



パク・ソヨン
LSp3
(レイバックスピン)背中をアーチ型にそらしたスピン
https://youtu.be/54WEu7mIRvo?t=1m45s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)①-(レイバックサイド→バック)②-ヘアカッター③-UB(アップライトビールマン)④

回転速度が速いので、0.25くらいに調節して見ないとわからないですね。
①イリュージョンを1回やって、ただちにレイバックサイド姿勢で2回転した時点で難エントランスとしてのレベル獲得。
②レイバック姿勢で2回転することで、サイド→バックの姿勢変更達成。
★③バックのヘアカッターという難ポジションで2回転のところ、回り切る前にビールマンへ姿勢変更を始めている。
④難ポジションのビールマン姿勢で2回転。

【結果】
難エントランス(イリュージョン)①-(レイバックサイド→バック)②-ヘアカッター★-UB(アップライトビールマン)③




ヴィヴェカ・リンドフォーズ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/cxliUgNlArI?t=3m6s
【予定構成】
CU(キャメルアップワード)①ーSS(シットサイドウェイズ)②-足換えーNBP(非基本姿勢)③-US(アップライトストレート)④


★①肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという姿勢で2回転するところ、回り切れていない。
②フリーレッグを抱えて横に位置させるSSで2回転。ちょっとSFっぽくも見えますが…。
足換え。
③NBPの難ポジションで2回転。
④上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢で2回転。

【結果】
CU(キャメルアップワード)★ーSS(シットサイドウェイズ)①-足換えーNBP(非基本姿勢)②-US(アップライトストレート)③



ニキ・ヴォリーズ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/a2rwjdOS7jw?t=2m50s
【予定構成】
キャメル基本形ーCS(キャメルサイドウェイズ)①-CF(キャメルフォワード)②ー足換えー(キャメル基本形ーSF(シットフォワード)③ーアップライト基本形)④


スリーターンからバックエントランスという難しい入り方をしていますが、後にレベル特徴が4つ控えていることを見るとレベル獲得目的ではないようです。
しかし、そのためコントロールを失ってしまい、キャメル基本形で2回転することはできたのですが、CSに移行する際にトラベリングしたり、弾みでエッジが変わってしまったりしています。

★①CSは一応2回転しているのですが、肩のラインを氷面に垂直にした姿勢かと問われると微妙なところで、CFのようにも見えます。
②肩のラインを氷面と平行にしたCFという姿勢で2回転。
足換え。
③④「足換え後3基本姿勢」でレベルを獲るために、キャメル基本形で2回転、フリーレッグを前にしたSFという姿勢で2回転、アップライト基本形で2回転。SFは難ポジションとしてもレベルを獲っています。

【結果】
キャメル基本形ーCS(キャメルサイドウェイズ)★-CF(キャメルフォワード)①ー足換えー(キャメル基本形ーSF(シットフォワード)②ーアップライト基本形)③


※ちょっと自信がないのですが、怪しいのはキャメル基本形からCSへ移行するあたりなので、多分CSで落としているのではと思います。違っていたらすみません。



イベット・トート
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/GTcKKhMiaY8?t=3m4s
【予定構成】
キャメル基本形ーNBP(非基本姿勢)①-UF(アップライトフォワード)②-足換えーSF(シットフォワード)③ーUS(アップライトストレート)④


キャメル基本形で2回転。
①ウィンドミルというNBPの難ポジションで3回転。他の難ポジションは皆2回転すればOKですが、ウィンドミルだけは3回転必要です。
★②上体を前に倒すUFという姿勢で2回転する予定が、膝が伸びてから2回転できていません(NBPからUFの間にSFのような姿勢をとりますが、これは繋ぎのための姿勢です。2回転未満なのでSF姿勢としては認定されません)。
足換え。
③フリーレッグを前にして上体をひねったSFの姿勢で2回転。
④上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢で2回転。

【結果】
キャメル基本形ーNBP(非基本姿勢)①-UF(アップライトフォワード)★-足換えーSF(シットフォワード)②ーUS(アップライトストレート)③




エリスカ・ブレジノワ
LSp2
(レイバックスピン)背中をアーチ型にそらしたスピン
https://youtu.be/SDqAiHiTC0E?t=3m7s
【予定構成】
レイバック+8回転①-ヘアカッター②ーUB(アップライトビールマン)③


もともとレベル3構成です。
①レイバック姿勢で8回転。
②バックのヘアカッターという難ポジションで2回転。
★③ビールマンで極端にスピードが落ち、グラグラしてフリーレッグを釣り上げているのもきつそうな姿勢。2回転回り終えるあたりで、フリーレッグを頭より高く維持できなかった。

テクニカルパネルハンドブックP15より
“ビールマン姿勢”は、スケーターのフリー・レッグが後方から頭より高く頭の天辺に向けて引き上げられ、スケーターの回転軸の近くに位置している姿勢であるとき、アップライト姿勢の難しいバリエーション(UB)となる。


解説の岡部由起子さんいわく、「最後で曲が余ったので、もっとスピンを回る予定だったと思います。最後のスピンは印象を左右しますね」とのこと。

【結果】
レイバック+8回転①-ヘアカッター②ーUB(アップライトビールマン)★




ロリーヌ・ルカヴァリエ
FCSp3
(フライングキャメルスピン)跳んで始めるキャメルだけのスピン
https://youtu.be/XpTikKi8vY0?t=1m12s
【予定構成】
フライングキャメルーキャメル基本形ーCU(キャメルアップワード)①+チェンジエッジ②-CS(キャメルサイドウェイズ)③-CF(キャメルフォワード)④


何度もカメラアングルが切り替わるのでわかりづらいですね。
フライングキャメルでスピンを始めます。これは難しいフライングではないのでレベルは獲れませんが、フライングのスピンと認定されるためには着氷後2回転以内にキャメル姿勢で2回転必要です。ここはキャメル基本形で2回転しているのでクリア。

①②肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという姿勢で2回転。同時にチェンジエッジ。チェンジエッジの前後に2回転ずつ必要。
★③肩のラインを氷面に垂直にするCSで2回転するはずが、ギリギリ2回転し終わる前に次の姿勢に移行し始めているように見えます。
④肩のラインを氷面と平行にするCFという姿勢で2回転。

【結果】
フライングキャメルーキャメル基本形ーCU(キャメルアップワード)①+チェンジエッジ②-CS(キャメルサイドウェイズ)★-CF(キャメルフォワード)③


CCoSp3p3(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/XpTikKi8vY0?t=1m27s
【予定構成】
キャメル基本形ーNBP(非基本姿勢)①-US(アップライトストレート)②-足換えーSS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)④


キャメル基本形で2回転。
①ウィンドミルというNBPの難ポジションで3回転。
②上体を真っ直ぐにしたUSの中でも、フリーレッグを軸足の後にクロスさせるクロスビハインドという姿勢で2回転。
足換え。
③フリーレッグを横にしたSSという姿勢で2回転。
★④フリーレッグを後にしたSBという姿勢で2回転するはずが腰が高くなってしまっている。

【結果】
キャメル基本形ーNBP(非基本姿勢)①-US(アップライトストレート)②-足換えーSS(シットサイドウェイズ)③-SB(シットビハインド)★




アレクサンドラ・ゴロヴキナ
CCoSp3p3
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢が3つ入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/MM35RQZ_TXg?t=2m18s
【予定構成】
(SF(シットフォワード)-CF(キャメルフォワード)②)①-足換えーUS(アップライトストレート)③+8回転④


これは最後の8回転が激しくトラベリングして5回転くらいでやめてしまっているので、初見だとレベル3構成かと思ってしまうところです。

ちょうど欧州選手権SPでレベルがすべて獲れたものがあったので、比較するとわかりやすいですね。
ユーロSPのCCoSp3p4https://youtu.be/-W5ryaYfnSI?t=1m45s

もうどこでレベルを落としたのかわかってしまいましたが、順番に説明していきます。

①②難ポジションのSF(2回転)からフリーレッグを後で持ったまま連続して姿勢を難ポジションのCF(2回転)へ移行していく。「足を換えずに行われる難しい姿勢変更」としてレベル獲得。SFは難ポジションとして既に別のスピンでレベルを獲っているため、ここでは獲れない※が、CFはまだなので、ここで難ポジションとしてレベルを獲る。
足換え。
③上体を真っ直ぐにしたUSという姿勢で2回転。この時点で難ポジションとしてレベル獲得。
★④そこからさらに6回転して全部で8回転するはずが、途中でトラベリングしてバランスを崩してしまい、続行不可能になり5回転くらいでやめている。

※SFは同じプログラムの中のFSSp4の中で難ポジションとしてレベルを獲っているので、ここでは同じ特徴ではレベルは獲れません。
スピンを3つ全部見て判断した方がいいというのは、こういうケースがあるからなんですね。

FSSp4https://youtu.be/MM35RQZ_TXg?t=1m43s

【結果】
(SF(シットフォワード)-CF(キャメルフォワード)②)①-足換えーUS(アップライトストレート)③+8回転★




ヤスミン・キミコ・ヤマダ
FCSp3
(フライングキャメルスピン)跳んで始めるキャメルだけのスピン
https://youtu.be/kYyS7n3BxPY?t=1m59s
【予定構成】
難フライングエントランス(トウアラビアンからのバタフライ)①-キャメル基本形ーCF(キャメルフォワード)②+チェンジエッジ③-CS(キャメルサイドウェイズ)④


①フリーレッグをつま先を突きながら振り回すトウアラビアンを行い、バタフライを跳ぶ。着氷後2回転以内にキャメル基本形で2回転。
②肩のラインを氷面と平行にしたCFという姿勢で2回転。
★③同時にチェンジエッジ。チェンジエッジ前はキャメル基本形でかかと方向へ2回転できているが、チェンジエッジ後はCFの姿勢を取ろうとキャッチフットして最初の1回転を回るときに、フリーレッグの膝がヒップより下がってしまっているように見える。2回転目から後はちゃんと上がっているように見えますが、続けてかかと方向2回転→つま先方向2回転が出来なかったので、チェンジエッジは成立しないと思います。
④肩のラインを氷面に垂直にしたCSという姿勢で2回転。

【結果】
難フライングエントランス(トウアラビアン連続からのバタフライ)①-キャメル基本形ーCF(キャメルフォワード)②+チェンジエッジ★-CS(キャメルサイドウェイズ)④


※ちょっと自信がありません。Jスポーツで見ているとき、CFがノーマルスピードで見ても上体が下がった無理のある姿勢に見えたので、姿勢が認定されないのではないかと思ったのですが、岡部由起子さんはそれについて指摘されなかったので姿勢自体はOKなのかなと思います。

チェンジエッジについては、テクニカルパネルハンドブックP16一方のエッジ少なくとも2回転行い、続いて他方のエッジ少なくとも2回転行うことが必要である」とあるので、このケースのようにチェンジエッジをはさんで途中に姿勢が認定されない状態があるとダメなんだろうと思ったのですがどうなんでしょう…。


LSp3なのですが、難エントランス(イリュージョン)①-レイバックサイド→ヘアカッター②-UB(アップライトビールマン)③という元々レベル3構成のようです。
https://youtu.be/kYyS7n3BxPY?t=2m19s
ヘアカッターがバック姿勢ならサイド→バックの姿勢変更が入ってレベル4構成になるのですが、バックっぽく見えるけどどうやらサイドのヘアカッターのようです。ということはレベルを落としたわけではなく予定構成を全部クリアしていますね。



ナタリー・バインツァール
CCoSp
(チェンジフットコンビネーションスピン)足換えのある、基本姿勢の複数入ったコンビネーションスピン
https://youtu.be/e7O9rVlGMrg?t=2m30s
【予定構成】
キャメル基本形ーCF(キャメルフォワード)①-US(アップライトストレート)②-足換えーSS(シットサイドウェイズ)③-UF(アップライトフォワード)④


無価値(0点)になってしまったケースです。
レベルが獲れていないのですべて推測になりますが、要件をクリアしているかどうかという視点で見ていきます。

キャメル基本形で2回転。
①肩のラインを氷面と平行にするCFという姿勢で2回転。
★②上体を真っ直ぐにしたUSのクロスビハインド(フリーレッグを軸足の後にクロスさせる)という姿勢で2回転するはずが、トラベリングしてフリーレッグをついてしまった。完全にスピンが中断した形。
足換え。
★③フリーレッグを横にしたSSという姿勢を取ろうとするが、腰が高いままで認定されず。
④上体を前に倒すUFという姿勢で2回転。

テクニカルパネルハンドブックP9にSPで必須のスピンについて書かれていますが、「1回のみの足換えありのスピン・コンビネーション」もその1つです。

Jスポーツで解説者の岡部由起子さんが、足換えがなかったことになってしまうのではと気にされていたので、やはり規定どおりのスピンをやらないとSPでは0点になるようですね。



ソニア・ラフエンテ
FCSp2
(フライングキャメルスピン)跳んで始めるキャメルだけのスピン
https://youtu.be/a9Zn7RrBKtE?t=1m21s
【予定構成】
フライングキャメルーキャメル基本形ーCU(キャメルアップワード)①+チェンジエッジ②-CF(キャメルフォワード)③-CS(キャメルサイドウェイズ)④


フライングキャメル着氷後、2回転以内にキャメル基本形で2回転。レベルは獲れないが、これでフライングのスピンとして認定される。
★②肩のラインを氷面に垂直よりさらに上にひねるCUという難ポジションで回り始めると同時にチェンジエッジするが、最初の2回転の間、フリーレッグの膝がヒップより下がってしまうため、チェンジエッジの前後に続けて2回転ずつの要件がクリアできなかったのでは(チェンジエッジ前の2回転はフライングキャメル着氷後のキャメル基本形でクリアしている)。その後、膝が上がるので①のCUで2回転はクリアできていると思う。
★③肩のラインが氷面と平行になるCFで2回転するところができていない。
④肩のラインを氷面に垂直にするCSで2回転。

【結果】
フライングキャメルーキャメル基本形ーCU(キャメルアップワード)①+チェンジエッジ★-CF(キャメルフォワード)★-CS(キャメルサイドウェイズ)②



LSp3(レイバックスピン)背中をアーチ型に反らせたスピン
https://youtu.be/a9Zn7RrBKtE?t=2m58s
【予定構成】
難エントランス(イリュージョン)①-レイバック+8回転②ー(ヘアカッター)③-UB(アップライトビールマン)④


①イリュージョンを1回やって、ただちにレイバックで2回転。
②そのまま8回転に達するまで回る。
★③ヘアカッターで姿勢が確立してから2回転できていないように見えます。
④ビールマンで2回転。

【結果】
難エントランス(イリュージョン)①-レイバック+8回転②ー(ヘアカッター)★-UB(アップライトビールマン)③




以下の選手はもともとレベル3構成で、全部レベルが獲れているので載せていません。

SP19位 アンナ・クニチェンコワ
LSp3
難エントランス(イリュージョン)①-サイド(ヘアカッター)②+8回転③
SP36位 クリステン・スポアーズ
LSp3
((レイバックサイド→バック+8回転②)①ーヘアカッター③)
SP38位 ダシャ・グルム
LSp3
難エントランス(連続ターン)①-(レイバックサイド→バック)②-ヘアカッター③


以上、女子SPでした。


[ 2016/06/21 ] スピンを楽しもう | TB(-) | CM(0)