上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- ]
スポンサー広告 |
TB(-) |
CM(-)
今回のレベル特徴のお話は
「ただちに行う両方向スピン」です。
テクニカルパネルハンドブック→
http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2015hb_single_08-16j.pdf両方向スピンについて記載されている箇所は、P11「レベル特徴」の8)、P17「両方向への回転」、P18「足換えありスピンでの片足における特徴の数」です。
以上のページを踏まえて、両方向スピンのポイントをまとめると次のようになります。
・ 姿勢はシット→シット、キャメル→キャメル、または両方を組み合わせても可。
・ 難ポジションでなくても構わない。
・ 上記の姿勢で3回転、そしてただちに足を換えて逆方向へ3回転するとレベルが1つ獲れる。
・ レベルは足換え後の足に割り当てられる。
・ 時計回りと反時計回り、どちらを先にしてどちらを後にするかは自由。両方向スピンといえば、真っ先に思い出すのが宮原知子選手ですね。
宮原選手の場合はシットからシットへの組み合わせです。
反時計回りから足換えしてただちに逆回転しています。
2016ボストン世界選手権SPより、CCoSp3p4の両方向スピン部分
動画はこちら。スピン開始時より始まります。→
Satoko Miyahara SP 2016 World Championship BostonCCoSp3p4(チェンジフットコンビネーションスピン 3ポジション レベル4)、足換えありのコンビネーションスピン 3基本姿勢入り。
レベルの構成は、
キャメル基本形-同じ足でのジャンプ①-シットフォワード②-足換え-シットフォワード(逆回転)③-アップライトストレート④
丸数字がレベル。足換え前に3回転、足換え後にも3回転しているのにご注目ください。
②と④は難ポジションでレベルを獲っています。
③のシットフォワードも難ポジションなのですが、既に足換え前に同じカテゴリでレベルを獲っているので、ここでは「難ポジション」としてはレベルは獲れず、逆回転をして「ただちに行う両方向スピン」としてだけレベルを獲っています。
③の逆回転は難ポジションでなくてもレベルが獲れるのですが、このように足換えをはさんで同じシットフォワードの姿勢を持ってきた方が左右対称が際立って効果的ですね。
両方向スピンのことを別名「ミラースピン」と呼ぶそうです。空色羊さんに教えていただきました。なるほど納得!
シット→シットの例を見たので、次はキャメル→キャメルの例を見てみましょう。
2016ボストン世界選手権SPよりミーシャ・ジー選手のCCSp4GIFが作れなかったので画像を。

動画はこちら→
Misha GE SP 2016 World Championship BostonCCSp4(チェンジフットキャメルスピン レベル4) 足換えありのキャメルだけのスピンです。
レベルの構成は、
キャメル基本形-チェンジエッジ①+キャメルアップワード②-足換え-キャメル基本形(逆回転)③-キャメルフォワード④チェンジエッジはキャメル基本形からキャメルアップワードへの姿勢変更のちょっと前から行っています。かかとを先頭に回っていたのが、つま先を先頭に変わっていますね。
②④は難ポジションでレベルを獲っています。
レベル4は獲れているものの、GOEは左から -3 1 0 -1 0 1 0 1 1 と評価が分かれ、最終的に基礎点3.20+GOE0.17となっています。
+1と-3ってずいぶん振れ幅が大きくないかい?((´・ω・`;))
プロトコル。ジー選手は15位→
http://www.isuresults.com/results/season1516/wc2016/wc2016_Men_SP_Scores.pdfフリーでもまったく同じ構成のスピンをやっていて、見た目はあまり変わらなく見えるのに、こちらはマイナスをつけているジャッジはいないのですよね。左から 0 1 2 1 1 0 0 1 1 で最終的に0.36の加点。何が違うんだろう。
四大陸選手権で宮原知子選手の両方向スピンにショートでもフリーでもマイナスをつけたジャッジが一人いたことで、スケートファンの間で「なぜなんだろう?」という声が飛び交いましたが、両方向スピンには何かしらの基準がジャッジの中にあるのでしょうか? よくわかりません。
動画はこちら→
https://youtu.be/A7WmXptABBk?t=1m41s
プロトコル。ジー選手は14位→
http://www.isuresults.com/results/season1516/wc2016/wc2016_Men_FS_Scores.pdf実はミーシャ・ジー選手はDenkova-Staviski杯や中国杯でもショート、フリーともに両方向スピンを入れているのですが、当時はレベル3構成なんですね。しかも回転方向が時計回り→反時計回りで世界選手権とは逆にしています。
中国杯SP→
https://www.youtube.com/watch?v=Ag7aN8I_L20&feature=youtu.be&t=1m50sCCSp3(チェンジフットキャメルスピン レベル3)、足換えありのキャメルだけのスピン。
レベル構成は、
キャメル基本形-キャメルフォワード①-足換え-キャメルアップワード(逆回転)③④+チェンジエッジ
①③は難ポジションでレベルを獲っています。
難ポジションのキャメルアップワードで2回転したところでレベル3が獲れ③、さらにもう1回転して合計3回転したところで「ただちに行う両方向へのスピン」が成立し④、1つの姿勢で同時に2つレベルが獲れるというわけです。
最後につけたチェンジエッジはGOE(出来映え点)加点狙いなのか、万が一、両方向スピンが認定されなかったときにこっちでレベルを獲ろうという保険なのか…。それは本人に聞いてみないとわかりません。
両方向スピンは難しいので、やる選手はとても少ないです。
貴重な例としてあと1人。こちらもキャメル→キャメルです。
2016ボストン世界選手権SPより、イワン・パブロフ選手のCCSp4GIF動画作ったら2M以上になってアップロードできなかったので動画をはります(^^;
https://youtu.be/0XfAUMmEAR8?t=48sCCSp4(チェンジフットキャメルスピン レベル4)、足換えありのキャメルだけのスピンです。
レベル構成は、
キャメル基本+チェンジエッジ①-キャメルサイドウェイズ②-足換え-キャメル基本(逆回転)-キャメルフォワード④②④は難ポジション。
レベル4を獲れてはいるのですが、ジャッジの評価は左から、-2 -3 -1 -1 0 1 0 -1 0 で最終的には-0.21となっています。
他人がやらないユニークなことをやるのは大事ですが、質が高くないと結局GOEで加点がもらえないので諸刃の刃ですね。
以上、3人の選手のレベル構成を挙げました。
難ポジションはその姿勢のまま連続して2回転以上必要。チェンジエッジや同じ足でのジャンプはその動作の前後に2回転ずつ必要です。
動画を見つけられなかったのですが、ジュニア女子シングルの三浦璃来選手(市橋翔哉選手とペアでも全日本に出ています)も両方向スピンを行っているそうです(sasaさんに教えていただきました)。
とてもユニークな両方向スピン、難しいでしょうが、もっと取り入れる選手が増えてくれると面白くなりますね(と、ファンはあくまで気楽に注文をつけるのであった(-∀-))。
スポンサーサイト