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スケートの神様

涙が出てくる。

いつも通りやれば大丈夫だと思ってたけど、ふと、いつもよりもっとプレッシャーのかかる舞台なんだと思い直した。

表彰台が当たり前で、金メダルを期待される重圧。
五輪の枠を三つ、確保しなきゃいけないという重圧。

大丈夫かな。

リンクに入る前、大きく深呼吸を繰り返すゆづ。何度も何度も。

こんな緊張した姿、見たことがない。

開始前のポーズを見て、不安はさらに増大する。
肩がガチガチに強張ってる。

いやな予感がした。

4T、空中で軸が傾いて行き、大きく転倒して壁にぶつかる。
「ああっ」と悲鳴が出た。

手に汗握って見守る3A。大丈夫。良かった。

3Lz、手を突いてしまう。
セカンドジャンプの3Tがつけられず、コンビネーションにできない手痛いミス。

ああ・・・もうだめだ。

ゆづはそれでも諦めない。
いつもよりも激しく上体を反らせ、ジャッジにアピールする。

最後のスピンを終えて、右手を高く掲げてフィニッシュのポーズ。信じられないというようなうつろな目を目の前の氷に向ける。
それでもすぐに首を傾げて微笑みを浮かべた。

ガチガチに緊張して、体が言うことを聞かなかったんだな、と思った。
なんだかんだ言っても、まだ経験も浅い。18歳の男の子だもんな、と思っていた。

リンクのサイズが小さいということも影響があるんでしょうかね~と、おためごかしを言う国分に、黙れ、みんな同じ条件なんじゃ、と心の中で毒づいた。


情報をシャットアウトしてたので、何も知らなかった。

ネットで情報を収集して初めて、ゆづが四大陸の後、インフルエンザで伏せっていたこと、それで焦って無理をして左膝を痛めてしまったことを知った。

ソチ五輪で3枠取るためには、上位2選手の順位の合計が13位以内でないといけない。
日本男子の実力から言ったら楽勝だよねと気楽に考えていたが、SPは大ちゃんが4位、ゆづが9位。
FSではこれ以上順位を落とすことはできない。

本音を言えば、五輪の枠なんか知ったことか。
ゆづの膝の方がずっと大事だ。

でも、自分が結果を出せずに枠を減らしてしまうようなことになったらゆづは絶対イヤだろう。それなら足がどうなってもやろうとするだろう。

痛み止めを飲んででも滑り切るとゆづが決めたんだから、私は祈るだけだ。

はぁ・・・しかし、スケートの神様。
あなたはちょっとばかし、サドっ気があるんじゃないですか?
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[ 2013/03/14 ] フィギュアスケート雑感 | TB(-) | CM(6)